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正体見たり枯れ尾花?

古代史好きにとって、「秦河勝」は、そそられる名前じゃあないでしょうか。
能(申楽)師たちが、自らの遠祖であるとする秦河勝。

金春禅竹の「明宿集」では、「うつろ舟に乗って坂越へ流れ着き、大いに祟った」とされています。
んでもって、「翁」と同一視されていることも見落とせません。

明宿集は現代語訳がまだ出てないと思いますから、古文で読むためはっきりとは解釈できていませんが、
「翁舞は大変重要である」
と書かれていて、なおかつその翁は秦河勝公のことであるというようにも書かれています。

申楽師たちは、河勝さんをなんと思っていたのか。
「うつろ舟」
「大いに祟る」
などというキーワードと併せて、非常~に興味のもたれるところなのでございます。

さて。

ここしばらく、「源九郎稲荷」と「大和の伝説」に入り浸ってました。

源九郎稲荷さんについては、知人がかなり深く関わっているのでそれにくっついてるだけですが、その知人が持ちだしてくる、この稲荷に関する伝説が面白くて面白くて。
その伝説のほとんどが「大和の伝説」という本に収められていることがわかり、さっそく遅まきながら入手したわけですね。

この本がまた面白いんだ!!

んなわけで、「大和の伝説」に掲載されている物語と、その伝承地に興味をもちだしたわけですが、
「ん~、どうも、能?」
などと思いつきました(笑)

まず、源九郎稲荷さん。
この神社に登場する源九郎狐さん自体、そもそもは能楽における演目「義経千本桜」に登場する狐さんです。

そして、この神社と菅田神社、石上神宮という、これまたそそられる神社連に関わる伝承「コマノと小狐丸の伝説」があるわけですが、調べてみると、やっぱり能楽の「小鍛冶」という演目に、「小狐丸」が登場します。

小狐丸は、京都の名のある刀鍛冶が打った刀ですが、その「相槌役」として、稲荷の狐さんが登場するんですよね。
ということで、源九郎稲荷の話と、「小狐丸」「稲荷」という点で一致する。
これは、何か関係があるのかもしれません。

んでもって、大和郡山で能……と見ていたら、少し離れた田原本町に、
「金春屋敷があった」
とされる地があるじゃ~ありませんか。

ここらへんは、つい先日のブログ「結構知らないご近所」にくどくど書きましたから、二度は書きませんが、秦楽寺の伝説として紹介されていた、
秦楽寺の北の門の前に、もと金春屋敷があった。金春の先祖は秦河勝だといわれるが、秦河勝は洪水に際して長谷川から流れて下った壺の中にいた嬰児であった。時の天皇の夢にこれがあらわれて、秦始皇の再誕であると名のって、天皇に重く用いられたという。花伝書にも出ている
が気になる。

非常~に気になる。

ってことで、「花伝書」を調べましたが、どうやら、世阿弥の「風姿花伝」と「八帖花伝書」のどちらも、「花伝書」と言われるらしい。

「八帖花伝書」の方は、なかなか読むのが難しそうですが、「風姿花伝」は岩波文庫になってますからこちらをまず読んでみることにしました。
以前から興味のある本でしたしね。「秘すれば花」なぁんて、美しいじゃありませんか。

したら、バッチリ載ってましたね(^^ゞ

曰く、
日本国においては、欽明天皇の御宇に、大和国泊瀬の河の洪水の折節、河上より一つの壺流れ下る。三輪の杉の鳥居の辺にて、雲客、この壺を取る。中にみどり子あり、貌柔和にして、玉の如し。これ、降人なるが故に、内裏に奉聞す。その夜、帝の御夢に、みどり子の云はく、『我はこれ、大国秦始皇帝の再誕なり。日域に機縁ありて、今現存す』と云ふ。帝、奇特に思し召し、殿上に召さる。成人に従ひて、才智人に越え、年十五にて大臣の位に昇り、秦の姓を下さるる。『秦』と云ふ文字、『はだ』なるが故に、秦河勝これなり。(中略)
かの河勝、欽明・敏達・用明・崇峻・推古・上宮太子に仕え奉り、この芸をば子孫に伝へ、化人跡を留めぬによりて、摂津国難波浦より、うつぼ舟に乗りて、風に任せて西海に出づ。諸人に憑き祟りて奇瑞をなす。即ち神とあがめて、国豊かなり。大きに荒るると書きて、大荒大明神と名づく(後略)


……これは面白い。

つまり、秦河勝は、長谷川をくだって、三輪山に辿りつき、朝廷にとりたてられます。
長谷と三輪ですよ。
要所ですねぇ。

そして、歴代天皇に仕えて活躍した後、難波津からうつろ舟に乗り、坂越に辿りついて、「奇瑞をな」したわけです。

坂越には現在も、「大避神社」があり、秦河勝公が祀られてます。
大避神社がある、坂越は牡蠣の名所でして、そんなからみもあって、何度か参拝しておりますが、長谷、三輪と関わるとは思ってませんでした。

しかも、壺に載って登場し、うつろ舟で退場するなんてね。
うつろ舟で登場し、粟の穂に飛ばされて退場したスクナヒコナを思い出しません?

スクナヒコナといえば、薬草の神。
長谷寺の申し子である中将姫ともつながりますね~。
大神神社にはスクナヒコナが祀られ、「薬の神」ともされますしね。

ん~、どうも「薬」というキーワードもひっかかってくる気がします。

そもそも、芸能の民とはなんなのかという点に、私は非常に興味がそそられます。

源九郎稲荷のそばはその昔、大きな遊郭がひしめく、巨大歓楽街でした。
その地に色をつける……というか、その地の色そのものであった遊女たちは、いったいどんな神を祀っていたのでしょう?

私は、「河原者」とも呼ばれた芸能の民が祀った神と、繋がっていると思っています。

「淡島様」や、「岩長姫」といった、悲しい思いをした故に、悲しい人々の守り神となった、優しい神様です。
彼女たちは自分が婦人病(つまり性病でしょう)に罹り、夫から捨てられたため、こんな悲しい思いは他の女性にさせるまいと女性の守り神となったという伝承を持ちます。

そしてその神々の別名を「シュクの人々が祀る神様」=「シュク神」と呼んだのではないか、と、そう、想像しています。

「シュク神」は、いろいろな面を持っています。
優しい神であると同時に「祟り神」ともされているようです。

孫引きですが、福田晃さんによれば、柳田国男は、祟りなすシュク神は、水辺に姿を見せる小さ子として表れると書いておられるとか。
まさに、スクナヒコナだと思いません?

スクナヒコナの「スク」と「シュク」の繋がりも気になります。

そしてまた、悲しい神であればこそ、病気の伝染を恐れる人々にとっては、「祟り神」とも受け取れたでしょう。

んなことを考えたとき、スクナヒコナと繋がる人物として、秦河勝は非常に興味深い。
ならば、彼そのものであるという「翁」とはなんなのか、ということにまたなってきます。

そんなわけで、ワクワクしながら「風姿花伝」を読んでおりましたが、
「この役がらをどう演じるか」
について世阿弥が解説するページにきて、ふと手が止まりました。

世阿弥はこう書いております。
「老人の物まね、この道の奥義なり」
ほぉ!!

でも読み進めていくと……(^^ゞ

およそ、老人の立ち振舞、老いぬればとて、腰・膝を屈め、身を詰むなれば、花失せて、古様に見ゆるるなり

つまりですね。
翁=老人を演じようとすると、どうしても体を縮こめることになるから、花がなく、古臭くなっちゃうんだよね……とおっしゃっておられる。

そして世阿弥は、「花こそ能の真髄」と繰り返しいうてはりますから、

「だからさ~、花のある翁を演じられるようになったら一人前なわけだよ~」

ってこと。

つまり、それだけのことかも(^^ゞ?

翁舞が重要だってのは、「翁」=「秦河勝」の意味が重要なのじゃなく、単に翁を舞うのは大変難しいってことかもしれません(^^ゞ

もしそうだとしたら、まさに、

「へ?そんだけ???????」
の世界っすわ(^^ゞ

とはいえ、WIKIでは、「八帖花伝書」にも翁についての説明があり、
その所説は、巻一の「翁」についての記述のように確かな古説に拠ったらしいものも見られる

とありますから、こちらには翁について何か古説が載っているらしい。

でも、この書物、図書館にでもいかないと読めそうにないっすね(^^ゞ
まぁ次の機会に。

あと、明宿集を読み返すべきっすねぇ、こりゃどうも。

明宿集を書いた金春禅竹は、世阿弥の娘婿。
ってことは、風姿花伝の教えを踏まえているはずですから、順序としては正しい。

……読まなきゃいけない本が溜まって、大変になって参りました(>_<)

ウパニシャッドとブラフマン伝と、空海の風景は絶対読みたい本なのに、手がでませ~ん!!!!!!
ひぃいい。

とはいえ。
今日はすっごく嬉しい荷物が届く予定なので、ワクワク一日を始められますわ。

さぁ、晩ご飯を楽しみに、パキパキ動きましょう!
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No title

読んでくれました?
中沢新一さんの『精霊の王』。

初瀬~三輪のことも、翁のことも…書いてますよ~イロイロ。
まだでしたら、ぜひに!

すいません(^^ゞ

もともと、学者さんが書いた本は苦手で、どっちかというと、記紀神話や今昔物語などを直接あたる方が向いてるんですよ。
どうも、学者さんの本って、無理が多いような気がして(^^ゞ

今のところ、読みたい本が山積みなんで、すいませんm(__)m

確認してみましたが、「読んでみる」っておっしゃったのは、わたしじゃなく鈴木さんですね。
http://ameblo.jp/fflapper/entry-10924513971.html
読む気もないのに「読みます」と安請け合いしたのかと焦りました(^^ゞ

お調子者なので、よくやっちゃうんですよね、そういういい加減なこと。
ほんま、ええ年して、あきません(T_T)

なるほど

そうでしたか~。研究書はお嫌いでいらっしゃいましたか!それはそれは大変失礼をば…<(_ _)>

そうそう。
鈴木さんのとこで申し上げたのはもちろん覚えてたんですけどね…。

いや、のりちゃんさま、何でもダダーッと読んじゃう方(言い方失礼ですね。…スミマセン)だと思い込んでました…勝手に申し訳ありませんでした。かさねがさね。陳謝致します。<(_ _)><(_ _)>

私は、ものすごく読むのが遅い&読む時間がなかなか作れないので…この1冊を読むのも四苦八苦で。

でも、学者の本でも、今後もし耳より情報があれば、懲りずに(?)お知らせはさせていただきますね~っていうか、その原典をお知らせすることにします(^O^)/

いやいや

そんな大げさな話では(^^ゞ
中沢新一さんは「チベット仏教 死者の書」と、「鳥の仏教」を読んでますから、嫌いな学者さんじゃないんだと思います。

はい。
お薦めがあればまた教えてくださいね。よろしくお願いしますm(__)m
ただ、今はちょっと無理っす。
インド系の神話って、なかなか頭に入らないんで、全然進まない(T_T)
プロフィール

のりちゃん1968

Author:のりちゃん1968
大阪生まれ、大阪育ちのおばちゃんです。
40の大台を超えて、ますますおばちゃんに磨きがかかってます。

HP:http://www.norichan.jp/
Mail:norichan★norichan.jp
(★を@に替えてください)

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