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危険物

ちょっと間が空いてしまいましたが、先日の、「利き酒師きっかけ講座」で学んだ知識をちょい吐き出しておきますね。

まず、「利き酒師」の存在意義について。
昔、日本酒には「特級」「一級」「二級」なんていう区分がありました。
が、1990年に廃止。

理由は、この級別と品質の良し悪しが比例していない。対応しあっていないから。
つまり、この級別は、意味のないもんだったからです。

級別審査を受けないお酒は全部二級。
でもその中に、うまい酒ももちろんある。

なら、何が違うか?
それは一概には言えませんが、一つだけ言えるのは、酒税額は違ってました。
特級を買えば高い酒税を払っていることになりましたし、二級酒を買ったら、税金は安かった。

ということで、「こんな制度はおかしい!!」と批判が高まり、現在では、級別の表示はなくなりました。

その替わりに登場したのが、「純米酒」「本醸造」「普通酒」なんていう区別です。
「純米酒」の中にも「純米酒」「特別純米」「純米吟醸」「純米大吟醸」の区別があります。
「本醸造酒」も同じ。「本醸造酒」「特別本醸造」「吟醸」「大吟醸」に分かれます。
これは、米をどれだけ磨き、削ったかの違いです。
米を削れば削るほど、雑味が減るんですよね。

大吟醸は50%以下まで削ったもので、最近では19%まで削ったお酒も出ているとか。
意味あるんやろか(^^ゞ

純米酒と本醸造酒の違いは、簡単。
米と米麹(と水)しか原材料にしていないのが純米酒。
醸造アルコールを添加しているのが本醸造。
ただし、米の重量の1割以下しか添加してはいけません。

そしてそれ以外が「普通酒」。
つまり、醸造アルコールや、糖類などが添加されています。
しかも、どんだけ添加されているか、わかりません。
「普通酒」には、大吟醸などの区別もありませんから、どれだけ米が削られているかもわからない。
まさに有象無象が混在した世界です(^^ゞ

日本酒を好きな人間にとっては、このランク別の方が、級別よりわかりやすいはずなんですが、自分は日本酒が好きではなく、ただ人に贈るときにだけ日本酒を買うのだ……とい人には、級別の方がわかりやすかったと言います。

「特級ですよ」
と言えば、納得する人が多かったんですね(^^ゞ

お酒を買う際、味の好みを表現するとき、ほとんどの人が使う言葉。
「甘口・辛口」

でも、日本酒って基本的に甘いお酒ですよね(^^ゞ?
久保本家さんの日本酒なんかは、ほんまに辛いと思いますが、それ以外のお酒は、私には全部甘味を感じ取ることができます。

「甘口・辛口」を表すのは「日本酒度」なんて言葉です。
残糖物質の量により、+-で表示されてますね。
辛口なら+、甘口なら-というのが目安です……が(^^ゞ

酒造さんによっては、+6(大辛口とされる)でも甘いっすよ。

ちなみにうちの父は、どんだけ甘口でも、醸造アルコールの味がすれば、
「うん。辛口でうまい」
と言います。

「特級」「一級」「二級」
という、肩書きがなくなってしまうと、酒は純粋に好みの世界になります。
それまでだって、好みのお酒を探し出すのは大変だったはずですが、「これは特級」という思い込みが「おいしい」と勘違いさせることもあったでしょう。

そんなわけで、誰かが「こんな日本酒が呑みたい」とリクエストした場合、その人にピッタリな日本酒を提供するには知識と経験が必要になってきました。
つまり、一般的に、「酒選び・酒薦め」が難しくなった。
そこで、それをアドバイスする役目の人として、利き酒師が登場した……というわけ。

まぁ、級別の代わりに値段を持ちだす方法もありますけどね(^^ゞ

講師先生の話によれば、外人観光客が日本酒を買う場合、
「この店にある中で一番高い酒をくれ」
とリクエストすることが多いんだとか。

味がわからないなら、値段で選ぶというのも一つの手法です。

ただ日本酒の場合、「高い酒」には、いろいろな理由があります。
原料米が高い場合、手が込んでいる場合……の他にもう一つ。

「貯蔵期間が長い」
ってのがあります。

これはワインでも一緒ですが……。
日本酒も、寝かせれば寝かすほど、高くなりますし、味も香りも変わってきます。
色は濃くなり、老酒のような独得の香りがつき、味にもコクが出ます。
つまり、言い方を変えれば、「日本酒らしくなくなる」わけ。

そんな経緯で、トラブルになることも多いそうですわ。
「一番高い日本酒を買ったのに、日本酒じゃない腐ったようなお酒を売られた!」
ってね。

しかも、品評会で金賞をとった日本酒ならいいってもんでもない。
確かに、金賞受賞酒はうまいです。
が、香りを引き出すために、ごくごく少量の醸造アルコールが添加されているものがほとんどです。

……えぇっとなぜ、金賞受賞酒に醸造アルコールが添加されているか。
出品酒のほとんどが大吟醸です。
そして、吟醸香を出すのは、「カプロン酸エチル」という物質なんだそうです。
この「カプロン酸エチル」、水にはとけずアルコールに溶けます。
つまり、醸造アルコールを添加すれば、この物質がたくさんお酒に残るんですね。
そして、「香りの良いお酒」ができるというわけ。

ですが、香りがよくなっても味が落ちては意味がありません。
なので、ほんの少し。
バランスを見切って、見切り極めて添加されています。
決して、ムニャムニャムニャ~~~~~~~~……の普通酒のように、ドカドカ足して、日本酒を薄めているわけじゃない。

でも、醸造アルコール添加は醸造アルコール添加です。

でも、海外で、「日本酒」と表記して良いのは、純米酒だけなんですって。
醸造アルコールがほんのわずかでも添加されたものは、「リキュール」。
関税がガクッと違い、醸造アルコールを少し添加しただけで、コストパフォーマンスが悪くなりすぎるため、醸造アルコール添加のものは、海外ではほとんど出回らないんだとか。

しかもです。
9.11以降、醸造アルコールは、「危険物」に指定されたとかで。
アル添の日本酒は、規定本数(確か一升瓶2本?とか??)しか持ちこめないんだそうです。
それ以上持ちこんだ場合は没収。
隠して持ち込もうとした場合、発見されたら拘束。

つまり、「高い金賞受賞酒」は、例え日本から持ちだしたとしても、祖国に持ちこめないということになります。

ややこしいねぇ(^^ゞ
結局は試飲してもらって、好みにあった日本酒を購入してもらうのが一番なんでしょうが。
試飲してもらうためには、試飲させる側に知識が必要ですよ、やっぱり。

そんなわけで利き酒師が登場した……と。

まぁ、理屈はよくわかります。
講師先生がものすごく感じの良い方だったこともあって、思い切り納得しちゃいました。

が。
反対に言えば、利き酒師の免許がいるのは、ごく一握りの職業の人だけだってことも言えます。
私には必要ないってこともね(^^ゞ
ただ、「日本酒」に特化したライターを目指すってことになれば、また考えます。

でも本当に、この日の講師先生のお話しはすごく面白かった。
生モトがまだ作られている理由については、「お酒の神様」に書きましたから何度も書きませんが、やっぱすごく素敵なお話しだと思うし。

日本酒って本当に面白いです。

そして最後に一つだけ。

日本酒を作る酒蔵は、昭和20年代には4000を超す数あったそうです。
それが現在では、1300蔵ほど。
なぜこんなに激減したんだと思います?

焼酎や外国のお酒に押されたってのもあります。
でも一番の理由は、「桶買い」だそうです。

「桶買い」ってのは、大手酒造が、小さな酒蔵が作ったお酒を買い上げ、ブレンドし、アルコールを添加して、自社ブランドのラベルをつけて売ること。

「普通酒」……いわゆる「紙パックのお酒」も、こうやって作られることが多いそうで。
紙パックの酒すべてがまずいとは思いませんが、でも、「安い」ことを売りにしようとすれば、醸造アルコールをドバドバ添加するのが早道。
当然味は落ちますよね。

その結果、日本酒の人気も落ちる。
売上も、落ちる。

その結果、大手のブランドは、「桶買い」を控えることになります。
そうすると、「桶買い」の比率が高かった酒蔵は、経営が成り立たなくなり、つぶれてしまいますよね。
そんな理由で、こんなに酒蔵が減ったんだとか。

でもですよ?
とすると、現在残っている酒蔵は、「オリジナルの味」を持っているところだとも言えるんじゃないでしょうか?


酒蔵見学で、地元を大切にしなかったため、つぶれた酒蔵の噂も耳にしました。
ある酒蔵のお酒は、東京にある大手の酒屋さんが、全量買い取っていたそうです。
酒蔵さんとしては、当然、他の酒屋さんへの流通ルートは確保しません。

そんな状況でくだんの酒屋さんから、「あんたんとこのお酒、もう買わない」と一方的に告げられたらどうなります?
……廃蔵となりますよね。

他にも、有名料亭で使われていることを嵩にかけ、地元の酒屋さんに偉そうな態度をとっていた酒蔵の話も聞きました。
有名料亭で使われると、他の料亭も真似をするため、一気に「人気のお酒」になる傾向があるんだとか。

でも、料亭だって代替わりします。
新しい店主としては、「何か自分の色を出したい」って考えるのが人情でしょ?
そういうとき、扱うお酒の銘柄がガラリと変わることがあるんですって。

そうすると、それまでその料亭の威を借りて、酒屋さんに対して大きな態度をとっていた酒蔵はどうなります?

廃蔵とまではならなくても、随分困ったことになるでしょうね。

つまり……。
一概に言ってしまうことはできませんが、誠意をもって、きちんと酒造りを続けていた酒蔵は、残っている可能性が高い。

ある意味、淘汰されてきたと言えるかもしれません。


ですからね。
今でも人気の地酒は、お薦めできるものの割合が高いってことですよ。

ちゃんと過程を踏んで日本酒を選べば、きっと後悔しません。
ぜひ、日本酒をどうぞ。
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のりちゃん1968

Author:のりちゃん1968
大阪生まれ、大阪育ちのおばちゃんです。
40の大台を超えて、ますますおばちゃんに磨きがかかってます。

HP:http://www.norichan.jp/
Mail:norichan★norichan.jp
(★を@に替えてください)

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