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鬼を慕って

そもそもの始まりは、
「すすきが見たいっ!!」
という私のわがままでした。

関西では、曽爾高原や生石高原なんかが有名ですが、曽爾高原はもう何度も脚を運んでるし、生石高原も行きました。
岩湧山も二度登ったし、葛城山はなぜかむちゃくちゃ混むので、行きたくない。

……ということで、旦那が調べてくれたのは、「青山高原」でした。
なんでも、「関西の軽井沢」とも呼ばれてるそうで(笑)
高級リゾートホテルなんぞもあったりします。

私たちはそ~いう場所にはご縁がありませんが、
「せっかくなんだから、行ったことないところに行きたいよね~」
ってことで、青山高原を目指すことにしました。

出発したのは、8時半。
この日は大した混雑には会わずに済みました。

私たちが予定に入れていたのは、もちろんススキだけじゃありません。
一応、野鳥に会ったときのために、望遠レンズも持ちましたし、史跡の場所も調べてありました。

まず一つは、「大村神社」。
素朴な名前の神社だと思うでしょ?
そうでもありません。

「大村」は、「阿保村」の転訛であると考えられています。
「阿保」は「あお」。
つまり、「青山高原」の「青」と同じ語源でしょう。

古い由来を持つ神社なのです。

この神社には、「要石」があります。

1017_9.jpg


関東の方ならば、この名に聞き覚えがあるでしょう。
鹿島神宮と香取神宮にも同じ名前の石がありますよね。

この石が地中のナマズを押さえ、大地震が起きるのを止めているのだとされます。

そして、ここ大村神社の要石は、鹿島・香取の両明神が春日大社へと遷られるときに立ち寄られ、置いていかれたのだとされるものです。
とするとこの地もまた、地震の要衝と考えられていたのでしょう。
実際、中央構造線の上に位置するようですね。

それにしても、なぜ昔の人は、科学的知識もなく、そのようなことを知り得たんでしょう?

そして、この土地にはもう一つ、鬼の伝承が残されています。
「鬼」の名は、藤原千方(ちかた)。

彼は金鬼・風鬼・水鬼・隠形鬼を従え、朝廷を脅かしたとされます。
ということはつまり、「まつろわぬ民」だったのですね。

それにしても、「藤原」という名がつきながら、なぜに朝廷に反逆したのか?
多分、彼はいわゆる「藤原氏」ではないんじゃないかと思います。

太平記によれば、彼が活躍(?)したのは、天智天皇の時代です。
まさに、中臣鎌足が「藤原氏」を賜ったのと同じ時期。
とすれば、同じ「藤原」の姓がついていても、まったく血縁はないのだと考えるのが自然ですね。

俵藤太として知られる藤原秀郷も、実際は鳥取氏であり、藤原の名は仮冒であるとする説もあるようで。
千方も、鎌足と関係があると考える必要はなさそうです。

千方は伊賀地域を統べた支配者だったのでしょう。
そしてまた、彼は「伊賀忍者の祖」とも言われています。

千方の伝承地はいずれも山の奥にあり、私たちはかなり迷いました(^^ゞ
そんなわけで全部周ることはできなかったのですが、「斗戔淵(とさかぶち)」「血首(ちこべ)の井戸」「雨乞い石」などを見ることができました。

話が前後してしまいますが、血首の井戸は、千方が討ち取った敵の首を放りこんだ自然の欧穴です。

欧穴というのは、石が川底を削って出来た穴のこと。
血首井戸は、4メートルもの水深があるそうです。

そして雨乞いの石は、その井戸に捨てられた首の化身だと伝えられているそうですから、まさにその欧穴を作った石なのかもしれませんね。

雨乞いの石は、萬松寺の境内にひっそりと安置されていました。
1017_8.jpg

斗戔淵や血首井戸へは、車道から、「散策道で1.5キロ」とありましたが、運転上手の旦那は、
「車で行けそうやな」
と、途中まで連れていってくれました。

しかし……。
こんな道は初めてでした(^^ゞ
なんだか、嵐の中の小舟に乗った気分(笑)

轍の跡がありますから、車の行き来はあるんでしょうが、多分間違いなく、四駆だと思う。
うちの可愛いマーチでは無理があるかも。

「整備されてない」の騒ぎじゃないんですよ。
でこぼこにもほどがあるって感じで(^^ゞ

途中の広くなったところで車を停め、そこからは歩くことにしました。
でも、この山道を1.5キロ歩くだけの価値はあると思います。

斗戔淵はこんなところです。

1017_7.jpg

位置を変えると、淵の深さがわかるでしょう。

1017_4.jpg

ここは、千方と四鬼たちが酒盛りをした場所だとされていますが、そんなおどろおどろしい雰囲気はまったくありません。
ただただシンとして、心静まる場所。

血首井戸はまだこの奥にあります。

1017_6.jpg

これは一般に、「雌穴」と呼ばれる水深1メートル強の欧穴です。
「雄穴」は、川の向こう側。

1017_5.jpg

小石が積み上がっている左側にあるようですが、丸腰で近くに寄るのは難しいんで、遠くから見ただけです。
でも、この場所もまた同じように、「血首」の名には相応しからぬ場所でした。

よくはわからないのですが……。
この場所は、藤原千方が雨乞いの儀式をした場所なんじゃないでしょうか。
ここで血を洗ったなどとする伝承は後付けで、朝廷側の人たちが、千方を賎しめるために作ったものなのかも。

木々の思いと水の思いが、知らず知らずのうちに沁み入ってくるような、真に静かな場所と思えました。
でも、夏場はあの悪路をものともせず、人が集まるのかなぁ(^^ゞ

さてさて。
千方の伝承地を後にした私たちは、さっさと青山高原へ向かいました。

途中で出会った可愛らしい先住民。

1017_3.jpg

若くて恐れを知らないのか、1分以上という長い間見つめあってしまいました(^^ゞ
お尻のハートに目を奪われる(^^ゞ

青山高原には、「ススキの丘」と呼ばれる丘があり、私たちはそこを目指したんですけどもけどもけども。
とんでもない「ススキの丘」でしてね。
だだっぴろい芝生の丘に、探しまわってやっと2~3本のススキを見つけることができました。

なんでこの丘が「ススキの丘」って呼ばれているのか、まったくもって疑問ですわ。
もしかして、「ススキがない丘」を省略したのか???????

最初そこを通りがかったとき、
「ススキの丘」という立て札があるにも関わらず、私たちはスルーしてしまいましたもん。
でも、500メートルほど行きすぎて、
「ススキの丘 → 500M」
という看板があったので、
「やっぱりあれがススキの丘だったのね?!」
とわかった次第。

あの看板がなきゃ、どこまでも歩き続けてしまうところでした(-"-)

しかし、円山草原は見晴らしもよく、綺麗でした。

1017_2.jpg

少し戻って三角点に登ると、山並みが重なっているのがよくわかります。

1017_10.jpg

……と、あれ?

「鬼……」
私がつぶやくと、旦那も、
「あ、ほんまや」
と答えます。

旦那が撮った写真はこれ。

1017_1.jpg

「どや、俺の伝承地、綺麗やったやろ」
とでも言いたげな、したり顔の鬼に見えませんか?

なんだか楽しそうに、大きな口を開けています。

そんなのただの偶然じゃん……と言えば確かにそうなんだけど(笑)
私には、「鬼」が自分の故郷を自慢しているように、面白がっているように思えました。

多分私たちは、「鬼の慈しみ」をもらえたのだと思います。

そのおかげかどうか、帰り路もスムーズで、伝承地を探して迷った割には早く帰ってくることができましたし。

今回行けなかった、千方窟などは、また今度じっくり訪ねたいと思います。
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興味深いですね。

大村の言葉の由来。
香取神社、鹿島神宮の要石との関連も面白いですね。
その場所に一緒に居るようなレポートをありがとうございました。 自分の足で行って、感じてみたいな~っていう気分になりました。

大村神社は

とても興味深い神社でした。
三重の神社は、奈良とは赴きが違うものが多いような気がします。
「土地柄」ってすごく面白いですよね。
私は河内の人間なんで、どこへ行ってもついつい河内との比較をしてしまいますが、そうすると意外な共通点が見つかったりするのも興味深いです。

ぜひぜひ、あちらこちら周ってみてくださいね!

かわいい鹿のお写真、良いですね。

こんばんは。
私も滝の撮影で登山中に鹿と何度か出会ったことがあるのですが、バッグからカメラを出している間に逃げられてしまって、まだ撮影できた事がないのです。
鬼の顔をした雲のお写真もお見事ですね。なかなかお目にかかれないですけど、雲が何かの形に見えると、ついつい撮影してしまいますね。

鹿は

素早いですからねぇ(^^ゞ
奈良公園の鹿なら、なんぼでも撮れますが(笑)

あと、雲の撮影も難しいです。
綺麗な夕焼けを撮影したつもりが、モニタで確認したら、ぼんやり色あせてるだけだったり(T_T)
設定をいろいろ変えなくちゃいけないんでしょうが、まだまだ体が覚えてません。

でもこれからもいろいろ挑戦してみたいです!!
プロフィール

のりちゃん1968

Author:のりちゃん1968
大阪生まれ、大阪育ちのおばちゃんです。
40の大台を超えて、ますますおばちゃんに磨きがかかってます。

HP:http://www.norichan.jp/
Mail:norichan★norichan.jp
(★を@に替えてください)

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