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一人遊び

小さな子どもが、架空の友達を作って遊ぶことは、珍しくないんだとか言いますよね。

子どもにまつわる怪談なんかだと、「お母さん、●●ちゃんが見てるよ」と言うから、架空の友達だと思っていたら、実は昔、その公園で亡くなった子どもの名前で、容姿を聞いてみるとそっくりだった……なんて話にもなったりしています。

私は割と小さなころから、友達と遊べないときは本を読んでいた……というか、本を読む方が好きなぐらいだったので、一人遊びはした覚えがありません。
まぁ、言うなれば、本が友達というか。
なんかそういう風な表現をすると、すごい暗い子どもみたいですかね(^^ゞ

ただ、自分の想像の中で遊ぶというのは、どういうことなのかな……とちょっと思いまして。

いやね、今朝、何もネタが思い浮かばなくて、本棚なんかをちらちら見てましたら、最近「あおぞら文庫」をコピーして作った「本」が出てきたんですね。

そして、その中に、太宰の「葉桜と魔笛」があったんです。

これはとても短いお話しですから、青空文庫で読んでいただくのが一番だと思いますが、簡単に説明すると、姉妹とその父親の話なんです。

以下、ネタバレになりますんで、読もうと思っている方はご注意をm(__)m


さて。

教師をしている厳しい父親と、仲の良い姉と妹が三人でつつましくくらしているのですが、あるとき妹が難病にかかり、日に日に衰えていきます。
懸命に看病する姉ですが、妹の机を整理しているとき、手紙の束を見つけます。
それらはすべて、妹が妻子ある男性と交わした恋文でしたが、最後の手紙は、男の冷酷な別れの言葉でした。

妹の病が重篤になり、その命がもう長くないことを悟ると、姉は一計を案じます。
男の筆跡を真似、言葉遣いを真似、
「あなたに別れを告げたのは間違いだった。僕はあなたを愛している。その証拠にあなたが寝ている部屋の外で、毎日口笛を吹きましょう。今夜はまず軍艦マーチを吹こうと思います」
という内容の手紙を書き、妹宛てに送るのです。

しかし妹は、それが姉の書いたものであるとすぐに見抜きます。
なぜならば妹は、姉と同じことを、自分に対してしていたから。

ここからの妹のセリフは、太宰の真骨頂だと思いますから、そのまま書きましょう。

「ひとりで、自分あての手紙なんか書いてるなんて、汚い。あさましい。ばかだ。あたしは、ほんとうに男のかたと、大胆に遊べば、よかった。あたしのからだを、しっかり抱いてもらいたかった。姉さん、あたしは今までいちども、恋人どころか、よその男のかたと話してみたこともなかった。姉さんだって、そうなのね。姉さん、あたしたち間違っていた。お悧巧すぎた。ああ、死ぬなんて、いやだ。あたしの手が、指先が、髪が、可哀そう。死ぬなんて、いやだ。いやだ。」

手を取り合って涙を流す姉妹。
しかしその直後、二人は凍りついたように体をこわばらせ、真っ青になります。

なぜなら二人の耳に、軍艦マーチの口笛が、はっきり聞こえてきたからなのでした……。

これは、NHKの「文豪怪談」でも取り上げられたようです。
確かに、「怪談」ととれなくもない。

ただ、さまざまな想像がわくお話しでしょう?

ちなみにNHKのドラマで、厳格な父親役を演じたのは、國村隼さんです。
とすれば、NHKが、この口笛の正体をなんだと思わせたかったのか想像がつきますよね(笑)

太宰もそうとれるような書き方をしています。

ただ、なんてんでしょう。
この姉妹、そして父親たちの、哀しいお芝居は、何も小説の中だけでおきる珍しいものではないと思うわけですよ。

私たちもまた、何かを演じながら生きているんじゃないのかなぁ……と。

冒頭で書いた、子どもの一人遊びも、無聊を慰めるために架空の友達を、結局は自分で演じているわけですよね。

あ、そうそう。
思い出した。
私もやってました。

「憧れのスターと偶然出会い、恋に落ちる」
な~~~~~~~~~~~~んていうストーリーを頭の中で作って、ニヤニヤしてましたわ、昔。
しかも、昔と言ってもそう遠くない昔に(笑)

トム・クルーズが最初の奥さんと離婚したと聞いて、
「え?不謹慎ながらこれはチャンス到来ってやつですか?」
と反応してしまい、そこにいた同僚全員の失笑を買った私ですが(^^ゞ

「難波を歩いてたら(←難波というあたりがいかにも田舎者の思考(笑))道に迷って困っている外人さんがいて、何気なく声をかけて案内したら、相手が大変感謝してくれて、サングラスを外す。すると彼はトム・クルーズだった!!!」
なんていう、安っぽい&陳腐なストーリーを考えて、ニヤニヤしたのは、15年ぐらい前になるのか?

どう考えても成人した人間の考えることではないっすよね(^^ゞ

ま、安上がりだからねぇ、想像で楽しむなんてのは(笑)
道具がいらないから、暇つぶしになるし。
……とすると、私は、架空の友達と遊ぶことで寂しさをまぎらわす子どもと、精神的にあんまり違いがないってことか。
なるほど。


旦那の休みがない4週間に、とうとう突入しました。
旦那と遊べない4週間。
多分、どこへ行っても、「一緒に旦那がいたらもっと~~~……」とか想像しちゃうんだろうなぁ(^^ゞ

早く10月になってくれぃ。
10月の三連休には、吉野行って、鳥見に行って、鳥見に行ってきまっす!!!
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厚かましい想像:南里

若干深刻な内容の中に
突拍子もないボケが突っ込んであって
読み応えありましたよ~
ありがとう

「じゃあ、ウチのヨメサンは
世界で二番目に美しいんだ~」
とシンデレラのストーリーを思い出している時に
そんな言葉が不意に出てきて
自分でおかしくなりました

シンデレラが死んだら
こんどは、ウチのヨメサンが
毒のリンゴを食べるのねぇ~

おはようございます

同感でございますっ!
想像力と思考力を駆使することは
とっても楽しい!!!

孤独に自然とこの手法で徹底的に対処した人・・・
ベートーベン、ゴッホ
を思い出し、おお、極めれば偉人になれるのね~
と感激!

のん様も、文学という分野の芸術家ですもんね~

私には
孤独な二人の別々の友人がいました
一人は、ある朝
電車に身を投げて自らの命を絶ちました
もう一人は
耳の不自由な知人で
筆談で
「毎日、静かにものを考えられるから・・・」
と話してくれました
想像と思考は、広く豊かにする必要があると
強く感じた、今日のお話
結局、死ぬ間際まで、自分の器を大きく大きくして生きていきたいなぁ~
と思いました
ありがとう
”若旦那~、なんり、深感恩

ボケちゃうわっ!!!

どうでもいいけど、毒リンゴは白雪姫でっせ、若旦那。
ふふ、ふふふ。

若旦那のお友達の話しをひくまでもなく、「心」というのは、使い方次第なのかとも思うのです。
闇の中にきらびやかな夢を描ける人もいれば、どれほど美しい景色にも闇しか見いだせない人もいるかもしれないし。

とりあえずは、できるだけ明るい夢を。
自分たちにできるのは多分、それぐらいのことなんでしょうね。
あんまりでかいことはできようもありませんもん(^^ゞ

ちょっと前に新潮文庫で太宰の『地図』を買いました。まだ途中までしか読んでないんだけど、思わず『葉桜と魔笛』も収録されてるんじゃないかと、なんだかそんな気がしたので今手にとって見ました。ありませんでした(笑)。
ま、青空文庫で読んだらいいわけだけど、のりちゃんの書いてくれたあらすじでもうすっかり内容わかっちゃったような気がしてます。ああ、太宰だなぁと。

すいません

こんな風に、「読む気をなくさせる」ようなブログ記事って最悪ですね。
それで、本作品よりも上手に物語れているようならまだ救いがありますが、当然そんなことがないわけで……。

せめて、「ネタバレ注意」は書いておくべきでした。
申し訳ありませんでした。

と、と、とんでもない!

のりちゃん、逆逆。わたしの書き方がかなり省略しすぎの判り難い表現だったので、私の方こそすみませんと謝りたい思いです!

もともと太宰は好きでもなんでもなかったんだけど、数年前に『津軽』を読んで以来ちょっと面白みを感じるようになってたのです。
それまでは学生時代に走れメロス、人間失格、斜陽を読んだことぐらいしか覚えておらず、それもあまり関心もなく読んでいたのでほとんど印象には残っていませんでした。

前にのりちゃんに会ったとき、‘太宰は初期作品がおもしろい’というようなことを聞いたのがずっと頭の隅に残ってて、何気に『津軽』を買ったのが太宰作品を読むきっかけになってます。もちろん『津軽』がどの時期の作品かも知らずにその時は買ったのですがね。

それからは、新潮社文庫で『惜別』『パンドラのはこ』など少し読みましたが、すでに私の中でこれが太宰なんだなぁと、印象というか思い込みが、すでに出来上がっているのです。

で、今年になって初期の短編集である『地図』を読み始めてたのですが、この夏いろいろあって読書から遠ざかっておりました。そんな時、たまたまのりちゃんのブログで読みかけだったことを思い出しまして、なんだか嬉しくなっちゃった、てなわけなんです。

思わず言葉足らずの書き込みをしたのはそーいうことなんですよね、、、ほんとごめんなさいね。


それと、私の本読みなんですが、ストーリーは全く意に介さず、一時一句細部に拘りながら読み進んでいくタイプです。おそらく、誰かに「どんな内容?」って聞かれても、読んですぐならともかくも、2、3日経っていれば答えられないのじゃないかと思うのです。

上に最近買ったという太宰の作品を記載しましたが、特に印象的だったのが、寺の坊主が海岸で捕らえた蟹を無残な殺し方をして喰らう所、その辺りの描き方です。それが何て名前の作品だったのかは覚えておりません。
だから、ネタバレだなんて、気にしないでくださいね。。。

もうちょっと書き足します

あの、のりちゃんのブログを読んだおかげで、また太宰作品を読みたくなった、のです。

ありがとうございます

そう言っていただけると嬉しいです。

実際のところ、
「原作読んで欲しい」
と思って内容を紹介しても、
「だいたいわかったからもういい」
って言われてしまうことがよくあるんですよ。

特に私は日本神話に興味を持っていただきたくて、
「こんな話しがありますよ」
「記紀神話ってこんなに面白いですよ」
と神話を抜粋して紹介したりするんですが、結局、
「もっと教えてください」
で終わっちゃうんですよね……。

私が伝える、フィルターつきの物語は、入り口であってほしいんですが、本当に難しいです。

太宰はなにしろ文章がうまいです。
なので、とにかく原作を読んで欲しいんですよ~~~~~~~。

太宰の世界は、好き嫌いがはっきり分かれるようですが、文章のうまさはやっぱり特別です。
とはいえ、三島も谷崎も、それぞれに真似したい部分があるのですが。
欲張りですね(^^ゞ

太宰の小説なんぞ、もう、本当に私なんかの文章で紹介するのは恐れ多いです。
ということで、「葉桜」も、ぜひぜひ原典で読んでみてください。

あれだけくどく句読点を打っているのに、なぜ読みづらくないのか???
真似したくてもとてもとてもなものがそこにあります。
プロフィール

のりちゃん1968

Author:のりちゃん1968
大阪生まれ、大阪育ちのおばちゃんです。
40の大台を超えて、ますますおばちゃんに磨きがかかってます。

HP:http://www.norichan.jp/
Mail:norichan★norichan.jp
(★を@に替えてください)

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