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言葉

昨日は落語会でした。
その名も「神農寄席IN心斎橋」。

なんで神農寄席やのに心斎橋なん??とちょっと思ったんですけどね(^^ゞ
というのも、大阪で「神農」といえば北浜にある、薬屋町を連想するからなんですよ。

薬の神様といえば、スクナヒクナ。
薬屋さんの集まる北浜の一画に、スクナヒコナを祀る神社があります。
その社名も「少彦名神社」。
道教の薬神「神農」と習合されて「神農さん」とも呼ばれ、こちらの呼称の方が有名になっているというわけ。

この落語会は、もともと北浜にある「めん処・けん徳」さんで開催されていたんだそうですね。
それがけん徳さんの店じまいに伴い、場所を移動……するかどうかはまだ決めてないみたいです(^^ゞ

この会を主宰してはるのが、笑福亭純瓶さん。
鶴瓶さんの3番弟子なんやとかで、かなりのキャリアと思います。
この日は三人の噺家さんが高座に上らはったんですが、トリの純瓶さんが登場した途端に雰囲気が変わりました。
お客さんの集中度が上がったんです。
ああいうのってなんなんでしょうね?

純瓶さんはいろいろな落語会を積極的に開催しておられ、テレビでも活躍してはるんですが、出会ったころと変わらず、相変わらず腰が低くてマメ。
落語会の後にはかならず丁寧なお礼メールが届きます。

昨日の打ち上げで、「けん徳」の元従業員とおっしゃる方に私を紹介してくれはったとき、
「のりちゃんとは長いつきあいなんですよ~」
って言われたので改めて数え直してみたら、8年ぐらいのお付き合いになるんですね。

まぁ、「お付き合い」といっても、落語会に顔を出すだけなんですが(^^ゞ

昨日の縁者は、純瓶さんとその弟弟子にあたる恭瓶さん、そして鉄瓶さんの三人。
皆さん達者でした。
鉄瓶さんは末弟子だそうですが、いやいやなかなか。
噺はもちろん、客いじりもお上手でした(笑)

鉄瓶さんのネタは「野ざらし」。
面白かったんですが、聞いてるうちになんか違和感……。

何がそう感じさせるのか、考えてたんですがどうもよくわからない。
会話の流れはスムーズだし、芝居も上手。
なのにこの違和感は……。

と考えていると、聖人とされるセイやん(かどうかは忘れた)が、野ざらしの骨を供養するところに話しが差し掛かりました。

「残り物の酒をかけてあげるとやな。されこうべが心なしかポッと桃色に色づいて……」

このセリフで、ピンときました。

この落語を、私は「江戸弁」で知っているんですね。
それを「大阪弁」で聞いているという違和感だったみたいです。

純瓶さん曰く、この「野ざらし」は、そもそも上方で「骨(こつ)釣り」と呼ばれる噺を、江戸の落語家さんが東京風に変えはったもんやとか。
一方、大阪では「骨釣り」は衰退してしもて、忘れ去られていたため、「野ざらし」として逆輸入しているというのが現状なんだそうで。

だから、「野ざらし」のテイストには、粋を重んじる江戸の気風が感じられるように思います。
それを大阪弁で演じると、気風に変わって厚かましさみたいなものが感じられて、なんかくすぐったいような雰囲気になります(^^ゞ

言葉が変わるだけで、噺も変わっちゃうんですね。
これがすごく面白い発見でした。

恭瓶さんの噺もこれまた達者。
初めて聞いた落語なんで、なんというタイトルかちょっとわからないんですが……。
話の中盤から、オチわかりました(笑)

そしてトリの純瓶さん。
この日のネタは、「刻うどん」。
私が一番好きな噺でした。

刻うどんについては過去にもぐだぐだ説明してますので省略。

この噺の枕が面白かった。

「こないだもね、この刻うどんをやったんですよ。そしたら終わってから、『今日の刻そば、面白かったですね(標準語風のイントネーションで)』って言われたんです。それで僕、『あぁ東京の方ですか?』って聞いたら、『いえ、生まれも育ちも大阪です』って言うんですよ!!」

つまりですね。
純瓶さんは何を言いたいのかというと、
「この噺は『刻そば』やのうて、『刻うどん』なんやぁあああああああああああ!!!!!!!!」
ってことなんやと思います。

一番前の正面に座った私が、
「そうやそうや!!」
とばかりに頷いてたら、打ち上げの際、純瓶さんが走るようにして私のテーブルへやってきぃはりました。

「のりちゃんうなずいてくれてはりましたけど、ちゃうんです。いや、ほんまなんですわ!!刻そばの方が有名なんです。でもね、元祖は刻うどんなんですよ!!」

ビール一杯で真っ赤になりながら熱弁をふるわはり始めました(笑)

でも、カメラを向けるとこの笑顔。
↓↓↓
0707junpe.jpg

プロですね(笑)

刻うどんと刻そばの噺の骨子は同じです。

16文のそばを15文で食べようとする噺(←なんちゅう乱暴なまとめ方やねん)です。

それに成功するものと、失敗するものを描いた噺ですが、ディテールはまったく違う。

刻そばの方は、成功する人は洒落者、失敗するのはそれを横から見ていたお調子者(熊さんが多いような?)。
洒落者が入ったそば屋は、そばもいい、だしもいい、かまぼこは分厚く切ってあるわ、器まで上等で、親父の人当たりも最高。
その上、ちゃんと騙されてくれるわけです。

でも熊さんが入ったそば屋は、そばは伸びてふにゃふにゃ、だしは塩味しかしない、あげくのはてはかまぼこと思ったら麩だし、親父は無愛想。
その上、熊さんは損をしてしまいましたとさ……。
というオチです。

刻うどんは違います。
成功するのは、兄さん的存在の「せいやん」、失敗するのは弟的存在の「きー公」です。

刻そばと刻うどんでは、せいやんときー公のやりとりの面白さも充分に堪能できますが、一番の違いは、きー公が選んだうどん屋のご主人の性格でしょう。

きー公のあたるうどん屋のご主人はきー公に騙されず、却って多めの代金をとりますが、それは何も謀ったことじゃない。
人が良くて、気弱で、怖がりな人です。
せいやんの真似をしようとして、妙な一人芝居を続けるきー公の挙動に怯える動作がすごく面白い。

つまりですね。
「刻そば」は、間抜けでおっちょこちょいの「熊公」の失敗と不運を笑う構成になってます。
それに対して「刻うどん」は、せいやんのつっこみ上手具合、きー公のお人よしさと能天気さに加えて間抜け具合、そしてうどん屋の怯え具合とラッキー具合を笑うようにできているんです。
一人を集中して笑うわけじゃないところに、いかにも大阪らしい、「みんな一緒やで」的な温かみがあります。

どちらが一般受けするかは知りませんが、大阪人の肌に合うのは「うどん」じゃないかな?

だけど、名前としては、「刻うどん」より「刻そば」の方が知られてます。
大阪でさえ、「刻うどん」という名前は知られてないようで。

それがキーってなるぐらい口惜しい!!!!!

……ってなるの、すっごいわかるわかる。
わかるともさ、キーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!

ま、それはともかく。
同じ噺でも、大阪弁で語るのと、江戸弁で語るのでは、こんなにテイストが変わるんだなぁということを実感した落語会だったのでした。

というかね。
語る落語家さんによって、どんどん進化していくものなのかもしれないなと思ったのでございます。


あ、そうそう。
噺は……もとい、話は変わりますが、「噺」という漢字、これ、国字なんですね。

国字というのは、中国にはない、日本だけの漢字のことです。

漢字が輸入された奈良時代、やまと言葉にはあって、漢字にはないものがいくつもあったみたいです。
仕方がないので、オリジナルでそれらしいものを作ろう……と考え出されたものなんだとか。

例えば、「働」とか、「峠」なんてのは国字。
字を見て意味がわかりやすいと思うのは、この文字が日本人の感覚で作られたものだからなんでしょうね。

それでは「話」という漢字があるのにもかかわらず、「噺」という漢字が作られたのはなぜか。

想像するしかありませんが、そもそもこの「噺」という漢字には、「話」とは違うニュアンスが籠められていたのでしょう。

「口」に「新」と書いて、「噺」。

落語家さんによって、どんどん新しくなっていく「噺」は、この漢字に相応しいなぁなんて思うのでございます。
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のりちゃん1968

Author:のりちゃん1968
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