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ご近所ミステリー・ツアー

ことの始まりは、橋下大阪知事の「大阪府ミュージアム構想」でした。
私は、大阪ミュージアム学芸員として参加しており、この関連のイベントにはなるべく顔だしするようにしてるんです。
で、この春に開催された交流会に参加した際、すぐそばの柏原市で、地元の名所を知ってもらおうと活動されてる方がおられることを知ったんですね。

その後何度かメールのやりとりをし、彼が運営委員をされている「まちづくりプロジェクト」が主催する歴史ウォークにお誘いをいただきました。
でも、なかなか日程が合わず、昨日やっと参加の運びとなったわけです。

とはいえ午前中に周る名所は全部知っていたこともあり、午後からの参加というズボラさ(^^ゞ
その主な内容は、
玉手山3号墳→安福寺横穴古墳群→安福寺→大坂夏の陣慰霊塔
となっています。

玉手山には、三世紀ごろの古墳群があるということは、あまり知られていないようです。

三世紀ごろ、このあたりに勢力を持っていた豪族がいた……ことは知っていましたが、具体的にその氏については知らなかった私(^^ゞ
昨日教えていただくことができました。

尾張氏だそうです。
尾張といえば名古屋の方ですよね。
熱田近辺でも、尾張氏は力を持っていました。
が、日本書紀・古事記で尾張氏が登場するのは、ヤマトタケルの東征の際です。
ここ、玉手山の方が古い勢力地ということになるかもしれません。

尾張氏の遠祖は天火明命とされますから……、物部氏との関係もうかがわれますね。

とすれば、玉手山に存在する古墳群は、この尾張氏のものと考えるのが一番自然でしょう。

面白いのは、この古墳は、たくさんの横穴を持つということ。
それだけたくさんの被葬者がいたということですよね。

0530yokoana.jpg

古墳時代に築かれた、巨大古墳の場合、多くは墳墓の真ん中あたりに一人の被葬者が眠っているそうです。
つまり、一つの古墳に一人の被葬者(殉死者はいるかもしんないけど)。
贅沢ですよね(笑)

しかし、ここ玉手山古墳群の場合は、もしかしたら一つの墳墓に一族がまとめて葬られたのかも。
いろいろな想像ができます。

またこの日、安福寺の本堂へあげていただき、ご住職のお話しを聞かせていただくことができたのですが、その中に少し興味深い話がありました。

安福寺の開基は行基上人ですが、中世にはすっかり荒れてしまっていたのだそうです。
それを再興したのが、珂憶上人です。

珂憶上人は十七世紀の僧侶。
時代は、江戸時代でした。

彼の事績は、寺の古文書にくわしく掲載されているようです。

曰く、福井県の出身で、東京の深川霊厳寺にて出家。
25歳で寺を出て全国行脚をしたのだとか。
そして30歳のとき、尾張藩二代目藩主であった徳川光友、当時40歳と出会います。

徳川光友の、10歳も年若い珂憶上人に対する傾倒は著しいものであったとか。
自らの菩提寺を探してほしいと依頼します。

ちょうどそのころ、珂憶上人には、安福寺再興の話が持ち上がっていました。
これは渡りに船……。

そんなわけで、尾張名古屋から遠く離れたここ玉手山安福寺に、徳川光友公の御廟があります。
しかも、当時徳川家の所持していた、数多くの宝物がこの寺に移されたとか。

しかもしかもしかもっ!!
そんな中に、戦記物の巻物が多数含まれているそうなんですけどもね。
楠木正成公に関する巻物の多くがここにあるんだそうですよ!!
なんででしょうね?

楠公さんの本拠地は千早赤阪村ですが、彼が崇拝したとされる上・中・下の水分神社のうち、中・下はこの近辺と言っても過言ではないほどの場所に鎮座しています。

そしてなにより、ここ玉手山の眼下には大和川が流れていますから、楠木正成公と、この地になんらかの関係があったとしても、不思議はないと思われます。

そしてもう一つ。

「尾張」というキーワードについて考えさせられませんか?

なぜ、尾張藩主・徳川光友公は、かくも珂憶上人に信頼を置いたのか。
安福寺をそこまで大切にしたのか。

ご住職は、「珂憶上人の人柄と智恵以外のことは考えられません」とおっしゃってたので、「尾張というキーワードで何らかのつながりがあったとは考えられませんか?」とは聞けなかったんですよね(^^ゞ

しかし……いろいろとそそられる話だとは思いませんか?
わたしゃもう、ゾクゾクしちゃいましたよ(^^ゞ

さて、昨日のウォーキングのもう一つのテーマは、「道明寺の戦い」でした。
徳川家康による大坂攻めが終了したのは、1615年の5月7日。

道明寺の戦いは、同じ年の5月6日のことです。

つまり、この戦での負けが、大坂方にとってどれだけ大きな損失であったかわかるのではないでしょうか。

このときの、大坂方の大将は、後藤基次。
後藤基次という名よりも、後藤又兵衛という通称の方がよく知られているかもしれません。

播磨出身の武将で、槍の名手として有名。
最後まで大坂方として戦いました。

宇陀にある有名なしだれ桜・又兵衛桜の名は、実は生き伸びた後藤又兵衛が植えたという伝承によります。

道明寺の戦いにおける後藤軍の兵数は2800。
対する徳川方は、伊達正宗の10000人を筆頭に、30000程度だったと言われます。

しかし、小松山に先着した又兵衛は、登ってくる敵兵を迎え撃ちます。
ひとケタ多い敵兵相手に、よくやったと言えるのでしょうが……。
じりじりと押されてしまい、山のふもとにおいて自害したと伝わります。

「敵に首をとられては末代までの恥」
と、家臣に首をはねさせ、すぐそばの田の中に埋めさせたと言います。

その伝承地に残されているのが、
「後藤又兵衛基次奮戦之地」
と記された記念碑。
0530matabele.jpg

細い道の木陰にひっそりと立っていました。

敗戦した武将の最期は悲しいものが多いです。
そして死した後も、同じ。

徳川方の武将は、小高い丘の見晴らしの良い土地を選んで墓が立てられています。

0530komatuyamachoujou.jpg

「道明寺の役・古戦場」
と伝わる、小松山山頂からは大和川も一望できるのですが……。

後藤基次や、同じく大坂方の武将である薄田隼人の墓は平地に。
そしてそれらは、後世の人々が、勇猛で忠誠心の篤い武将を偲んで建てたものであって、戦の後すぐ、ねんごろに遺体を葬ったという類のものではないのです。

安福寺の珂憶上人は、そんな状況を悲しんだ人物の一人でした。
勝った側の武将は手厚く葬られているのに、同じく勇敢にたたかった負け方の武将は放置されている……。

上人は、戦勝した者も、敗戦した者も、そして地位の高いも低いもすべて弔うべく、一つの慰霊塔を安福寺を見下ろせる場所に安置したのでした。

そのことにより始めて、戦に負けた武将たちの魂は安らぎを得たのであります。

で……ですね。
私はその慰霊塔も撮影させていただきました。

もちろん、失礼のないようにという思いはあったんですよ。
不敬な気持ちはなかったと思います。

シャッターを押したのは合計3回。
モニタにて、撮影した写真がどのようになっているかも確認しました。

が。
家に帰ってきて確認したら、塔の写真は2枚しかありません。

しかも1枚は、全体像が映ってない。
塔の足元しか映ってないんですよ。
しかも、カメラを振りながらシャッターを押したように、全体的にぼやけてます。

そしてもう1枚は……なんとも言えない……。
なんとも言えないような写真でした。

旦那曰く、
「逆光気味だったから、データ補正処理の途中でカメラの電源をオフしたからこんな風になったんちゃうか?」
だそうですし、確かにそうなのかもしれませんが……。

偶然とはいえ、こういう偶然には敬意を払いたいと思います。

もちろん、慰霊塔に眠る、400年以上前の、勇猛果敢な武将たちが、祟りをなそうとしているなんて思いません。
個人的に、すぐに「祟りだ」なんて騒ぐのは、却ってすごく失礼なことだと思う。
人を怨んだり憎んだりする心を、誰もが持っているわけじゃありませんから。

ただ、
「ゆっくり眠らせてくれ」
とメッセージを送っておられるのではないかと。
そんな風に受け止めておこうかと思います。

ですから写真はありません。

この地は、古の武将たちが、自らの忠誠心を誇りとし、尊い命を散らせた場所。
そして戦から50年ほど後、徳の高い上人が、敵も味方も一堂に集め、弔った場所。

命よりも信念を大切にした男たちがここで安らかに眠っているということを、ぜひ一度、自分の目で確かめてみてください。

場所は、安福寺の裏から坂を上り、玉手山遊園地の柵を入り、階段を昇りつめた場所です。
あちらこちらに看板もあったはずですから、迷うことはないかもしれませんが、安福寺を拠点にするのが一番間違いないと思います。
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のりちゃん1968

Author:のりちゃん1968
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40の大台を超えて、ますますおばちゃんに磨きがかかってます。

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