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容色

一番最初の会社は、いわゆる「大企業」で、私が所属していた課だけでも100名以上が在籍しておりました。
バブルの時期でしたしね~~~、同僚たちの話題はもっぱら化粧品とかブランドとか、テレビドラマに終始しておりました。

で、そういうのからあぶれた仲間ってのがいましてね(笑)
もちろんその一人は私。そしてもう一人、4歳くらい年上の先輩がいてはりました。
その先輩は、
「のりこちゃん以外、話が通じる人がいない」
と言うてはったと思います。

というのも、彼女の話題は、いわゆる「女性受け」するもんではなかったからであります。

たとえば、彼女と私が最初に話しこんだきっかけの言葉は、確か、
「のりこちゃん、あのね、阿頼耶識に一度書きこまれたものは、消去できないのよ」
でした(笑)

阿頼耶識……彼女はそれを「あらやしき」と発音しましたんで、私は頭の中で、「荒屋敷」と漢字変換したものですが、全然違いました(笑)

阿頼耶識という言葉は……まぁ、だいたい想像がつくでしょうが、仏教用語ですね。
そこには、人類発生の当初から、人が考えたり行動したり、観たり聞いたりしたことがすべて書きこまれているんだとか。
そして、そこに蓄積されたデータが、その人の人格やら、品位やらを作り上げるんだそうな。

宗派によっても考え方が微妙に違うようですし、私自身、まったく理解できていませんが、先輩が言いたかったのは、

「感情は蓄積される。だから悪い感情は抱かないに越したことはない」

というようなことだったみたいです。

私はそういう話題について詳しいわけではありませんでしたが、とにかく興味は持ちましたんで、なんとか会話になったんですよね。

とまぁそういう先輩から、ある時期、耳にタコができるほど言われた言葉があります。

「のりこちゃん、マノンになるのよ!!!」

なぜか彼女にとって、「最高の女」は「マノン・レスコー」だったようなんですよ。
明らかに私とはキャラが違うんで、笑って流していましたが、つまり彼女は私に、「最高の女にならなくちゃだめ!」と言うてはったんだと思います、多分。

残念ながら、彼女のアドバイス通りにはならず、このていたらくでございますが(笑)

しかし、マノン・レスコーって不思議な女だと思うんですよ。

まず、彼女は高級娼婦ですね……といってもフランス、しかもこの物語当時で娼婦は必ずしもさげすみの対象ではなかったような気もしますが。
ルイ15世もの愛妾・デュ・バリー夫人も、娼婦だったとも言われてますもんね。

とはいえ、優秀なエリート騎士・グリュウと恋に落ちるも、
「やっぱ贅沢な生活の方がいい~」
と金持ちじいさんの妾になって、グリュウを裏切る。

かと思えば、
「やっぱり退屈~~~、やっぱりグリュウが好き~~~」
と、せっかく立ち直ったグリュウを誘惑して、元の生活へ引きずり下ろす。

あぁだこうだの末、アメリカまで逃げて、そこでもやっぱり有力者を誘惑するようなことをして、怒ったグリュウは相手と決闘するはめになる。

でまた逃げようとしてその途中で衰弱死という。

ろくでもない女に思えますが、なぜか彼女を好きな人は多いみたいに思います。

くだんの先輩も、「最高の女」として捉えていたわけですしねぇ。

マノン・レスコーの際立った特徴を二つあげればこんな感じ。

・この世の女性とは思えないほどの美女
・徹底的に思いのままに生きている

このどちらが欠けても、マノンではない。

なんだかんだ言って、容姿は大事なんでしょうねぇ……。

マノン・レスコーが施設へと連行されるとき、
「こんな可愛らしい人が悪いことをするはずがない!!」
と叫ぶ女性のことが小説には描かれてたはず。

「こんな可愛らしい人が!!」
って(^^ゞ

……そういやぁ、リンゼイさん殺人犯の市橋容疑者についても、
「あんな澄んだ目をした人が残虐な殺人をするはずがない!」
とか言うてはる人がいる……とニュースで読みました。

あぁ、そういえば、「デカメロン」でも、法廷で素っ裸になった被告の話が出てきたような。

被告は絶世の美女なんですよ。
で、彼女が裸になると、陪審員たちは、
「こんな美しい人が、罪を犯すはずがない」
つぅて、無罪になるとか言う話だったと思います。

ったく、イタリア人だねぇ(^^ゞ

可愛らしい容姿に生まれたことで、得することっていっぱいあるでしょうね、多分。

ただ、それが良い方に行くか悪い方に行くかは、生まれ持った性格と、運かもしれません。
生まれ持った性格と運で人生が変わるのは、誰だって同じかもしれませんが、容色の優れた人はその変化具合が極端になる傾向があるような気も、ちょっとします。

何をやっても「可愛い」「可愛い」と言い続けられたら、どうします?

生まれつき思いやりのある、自分より他人を大切に思えるタイプの人間ならば、さらに思いやりある人間になる可能性が高いかもしれません。

が、チェホフの「可愛い女」のようになる可能性も否定できないか(^^ゞ
でも、オーレンカの場合、「思いやりがある女性」ってわけでもないよねぇ。自分がないだけで。

また、自分勝手な傾向にある女性が、周囲から可愛い可愛いと言われれば、女王様になるかもしれません。

マノン・レスコーは、自分勝手というよりは、「無垢で、死ぬほど素直で感情的」んですよね。
そういう人が、ただただ「可愛らしい」と絶賛され続けたら……。
心のままに生きてもいいんだと誤解しても仕方ないのかもしれません。

無垢であり、自分の心にも他人にも素直な性格って確かに魅力的ではあります。
マノンが愛されるのはこの点においてなんだろうと思うんですが……。

こういう女性は、あまり美しくない方がいいのかもしれないなぁと思います。
マノンほど男性の心を惹きつけなければ、普通の容姿ならば、
「容姿は普通だけど素敵な女性」
と言われた可能性が高いと思うんだけどな。

よく言われることですが、容色というものはいつかは衰えます。

こないだテレビで若尾文子さんを見て、
「うわ、綺麗!!」
って思いましたが、彼女の若いころは「綺麗」どころの騒ぎじゃないですよねぇ。

だから、容色だけを頼みに生きてる人間は、いつかは破滅するでしょう。

だからマノンにとって最高の死に方は、
「何があっても自分を愛してくれる男の腕の中で、まだ容色が衰えないうちに死ぬ」
という、小説通りのものなのだろうと思います。

いやはや。
そんな女に誰がなりたい???
わたしゃそこそこ長生きしたいよ。

そう思うけれども、彼女に憧れる人は多いらしい。
なんでなんでしょうね??

さて。なんでこんなことを描いてるかと言いますとですね(^^ゞ

昨日、ツイッターで(笑)、吾妻ひでお氏の「やけくそ天使」をお薦めしたんですよね。

やけくそ天使ってどれぐらいの人が読んでるんだろう(^^ゞ

ヒロインの名前は、「阿素湖 素子」。
「あ、そこそこ」
ですね(笑)

下ネタ満載なんですが、多分これを読んでエロティックな気分になる人はそうそうおられないだろうと思います。
多分ですが。

つまりそれぐらい、素子ちゃんは自由奔放過ぎるわけですよ。
そりゃもう、自由というか、むちゃくちゃというか、もはや地球人とは思えないっつぅか(笑)
明るくて前向きと言えば聞こえはいいけど、単にうしろを振りかえれないだけです。
なにより、ひどいニンフォマニアです(笑)

もちろん、漫画の主人公ですから、絶世の(?)美女です。

んなわけで、「素子ちゃんは、日本版マノンだよな~」と以前から思ってました。

でも、素子ちゃんになら、憧れてもいいなぁと思うんですよね。
マノンと同じだと思いつつ、マノンには憧れないけど、素子ちゃんには憧れる。

こういうのもいったいなんでなんだろうと不思議に思うんですよねぇ。
なぜなのかしら???

……などと言いながら、今日も私は私らしく生きて行くのでした。

つぅか、昼から仕事です。
がんばろ~っと。
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のりちゃん1968

Author:のりちゃん1968
大阪生まれ、大阪育ちのおばちゃんです。
40の大台を超えて、ますますおばちゃんに磨きがかかってます。

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