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名文ってなんだろう

今、特に仕事がありません。
フリーランスなので、仕事のあるときとないときがあるのは仕方がないし、仕事がないとなんとなく落ち着かないんで、こういうときは何かやった方がいい。

ってことで、読み返したいと思いつつ、時間がなかったという本を出してきました。

一つは三島由紀夫の「軽皇子と衣通姫」。
新潮文庫の「殉教」に入ってます。
もう一つのブログで、神話を紹介してるんですが、そろそろ衣通姫かな~……って。
でも、どう~せ三島には負けるんだから、潔く負けてやろうと(笑)
で、敵を知るために読み返してました。

もう一つは谷崎潤一郎の「少将滋幹の母」。
これは谷崎の小説の中でもマイナーなんですかね?
私は一番好きな小説なんですけど。
主に、今昔物語の「時平大臣国経大納言妻語」をベースにしてます。
これは単純に「古典つながり」。
衣通姫を読んだ流れで読み返したくなりました(笑)

しかし、先日も書きましたが、三島由紀夫って、若いころの方が理解できたなぁ。
今読むと、さっぱり共感できん。

豪華絢爛な美文なんだけど、不親切っていうか……。

たとえばこんな表現があります。
衣通姫は皇后が髪を調えて下さる気持ちに厳しさとやさしさを併せ感じた。その愛に身を委ねない人には死を命じることさえできるやさしさである

わかります(^^ゞ?

説明しておけば、衣通姫の立場は、古事記と日本書紀ではまったく違います。
その体が発する光が、衣装を通って出てくるほど美しということから、衣通姫(そとおりひめ)、ここは共通している。

でも、日本書紀では、衣通姫は皇后の妹ってことになってます。
允恭天皇の寵愛を受け、そのために皇后の苦しみの種になった、と。

古事記では、允恭天皇と皇后の娘。
同母兄であり、皇太子でもある軽皇子と恋仲になり、伊予に流されたとされています。

三島はこの二つを合わせ、允恭天皇の寵愛を受けて皇后を苦しめると同時に、軽皇子とも通じて彼を政治から遠ざけ、伊予流罪の原因となった女性として、衣通姫を描いてるんですね。

ですから、衣通姫は姉である皇后の優しさを受ける立場かどうかはとても微妙なところ。
実の妹であること、そして息子が愛した人であること、恋敵であること。
皇后にとって、衣通姫は複雑な女性だってことになります。
そういう二人のシーンを描いて、上記の文章ですよ(^^ゞ

堪忍してください。

確かに、「私の愛に答えるものだけ愛してあげる」というパターンは、あちらこちらにあるでしょう。
クォリティやレベルもそりゃぁたくさんあると思う。

でも皇后は決して「つまらない女性」として描かれていません。
深みもあれば気品もある。
「女神の末裔」たる女性です。

「三島由紀夫の文章は直感的だ」
なんて批評を読んだことがあるけど、ほんまだと思う(^^ゞ
特に女性に対しての文章は、偏執的なぐらい理想化されてる上に直感的で、わかりづらいっつぅの。

この小説は三島22歳のころのものだから、多少独りよがりなのはしょうがないかもしれないけど。

読み終わった後、「少将滋幹」に移りましたが、読みやすいこと!!

「軽皇子」は句読点が最低限しかありません。
もちろん、それでも読めるのは、圧倒的に文章がうまいからでしょうが、不親切だと思う。
……というか、悪い言い方をすれば、気取りを感じるんですよね。

その点、谷崎の文章には、まったく「特別感」がありません。
句読点もふつ~だし、言葉遣いもふつう。
特別な単語も使わねば、表現もごくごくありふれたものばかり。

なのに「ん~、美文だ!」って思わせるこの存在感(笑)

まぁ、谷崎62歳だから、そりゃ熟練も洗練もしてて当然なんですけどね。
読む方にしたら、こっちのがいいわさ、やっぱ(^^ゞ

だいたいね。
谷崎って、年いってからの写真ばっかり有名でしょ?

三島は若いときの写真ばっかし(若死にしたから当然なんだけど)。

フェアじゃありません。

中原中也と小林秀雄の恋のさやあてに関してもね。
中也は当然若いときの写真が使われるでしょ?
小林秀雄は晩年の写真が使われるんですよ。
これじゃあまるで、ひひじじいが、紅顔の美少年を嫉妬して女を奪ったみたいに思われてしまうやないですか。

小林秀雄の若いころなんて気品と知性がにじみ出た超色男ですよ?
とってもとっても不公平!!


閑話休題。

谷崎の若いころなんて、だれが見ても美男子ですよ。
キリリとした眉、縄文人の血が色濃く出たアーモンドアイ、それにふさわしからぬ通った鼻筋、りりしく結んだ口元。
芦屋にある記念館で見た、学生時代の谷崎の写真なんか、ほとんど俳優のブロマイドと変わらない男前ぶりです。

その男前が、この美文を書いてると思って読んでみてごらんなさい?!
ジュード・ロウ様に愛の言葉をささやかれてるのと同じ気分になります。
いや、ほんまほんま(笑)

まぁそれはともかく。

「美文」ってなんなんだろう?

首をかしげてしまったんですね。

そもそも文章のうまい下手ってあるのかなぁ……。

いや、もちろん、「何書いてるのかわからん」って文章を「うまい」とは思いません。
悪文の例は、ここが面白いですよ↓↓↓
文の構造が原因で読みにくい文章

「余談が多い文章」なんてのもピックアップされておりまして、非常に肩身が狭いんですけどね(笑)
でもまぁ、三島の文章だって、「誇張しすぎた文章」と言えないこともないから、別にいいか、と。

以上、余談でした(笑)

でも、プロが書いた小説を読んでても、
「読みづらっ!!」
って思っちゃうものはあるでしょう?

たとえば、野坂昭如の文章も、ほっとんど句読点がありません。
真っ黒。
まぁ、それでも読めるぐらい、ちゃんとした文章を書いてるんだっていう矜持の表れでしょうが、それでもやっぱり「不親切」と思う。

でも、野坂昭如の文章は、朗読されているのを聞くと、やっぱり美文です。
流れるように流麗な文章。
耳にひっかかるものがありません。

私が言ってるのはそういう「特徴」の問題じゃありません。

非常に失礼ながら……。
「文章が下手な小説」
の話です。

これはもう、好みの問題もあるのですが、たとえば、渡辺淳一さんは、だれがなんと言おうが、へただと思う。
「別れぬ理由」を読み通すのがしんどかった。

はっきり覚えているのは、自分と妻の立場を表すのに、
「これでは妻が被害者で、私が犯人のようだ」
とかなんとか、そういう表現があったんですよ。

妻が「被害者」なら、自分は「加害者」だろうし……。
なんていうか、ここで「犯人」という単語が使われていることに、なんとも言えない違和感が……。

たぶん言葉に鈍感な小説家さんなんだと思うんですよね。

その後、社会現象とまで言われたんで「失楽園」を読みましたが、これは上下巻をまとめて買ったことを後悔しました。
10ページで死にそうになった(^^ゞ

1ページに3回、「正直言って」が出てきたんですわ。

「しかし」「だから」などのありふれた接頭句ではありません。
「正直言って」
です。

てか、「正直言って」なんて言葉、プロの小説で、ほとんど見んわ。

後、私が「下手だな」と思う小説家さんの特徴に、「登場人物に魅力がない」ってのがあるんですが、そういう小説を書かはる小説家さんの文章は、必ずと言ってよいほど、ほかにもいろいろとアラが……。

文章を書く仕事の人に、
「私、渡辺淳一と内田康夫の文章が苦手で」
と言ったら、同意してもらえることが多いです(^^ゞ

ただ、渡辺淳一については、「問答無用よね」なんですが、内田康夫さんに関してはどこがどうと言いづらいらしく(笑)
「なんといったらよいかわからないのだけど、あか抜けてないというか……ねぇ?」
みたいなあいまいな表現になるのも不思議(笑)
なぜそうなるのか?

結局……生意気なことを言ってしまえばですが……薄っぺらいんじゃないかと思います。
人物描写に熱が入ってないんじゃないかなぁ。
熱が入ってないのは、読者に絶対伝わりますから。
たぶん、登場人物に愛情がこもってないんですよね。
内田さんが愛をこめているのは、トリックなのかもしれません。
ならばそれはそれで、推理小説家としては正しいんじゃないでしょうか。

……わからんけど……

と、悪文については、「こういうものが悪文だと思う」って、言えるんですよ。
でも、「美文とはなんぞや?」と聞かれたら、答えに困る。

ややこしいことを言ってしまえば、「美文」と「うまい文章」も違うと思いません?

たとえば、筒井康隆の文章は、抜群にうまい!……と思います。
が、だからこそわざと、「美文ではない文章」を書かはったりするでしょ?
たとえば、「残像に口紅を」の最後の方の文章なんかは、絶対美文じゃありません(読んだ人は「当たり前やろ!」というでしょうが(笑)。

じゃあ、美文とは?
美文とはなんぞや??

例として挙げろと言われたら、なんぼでもあげられますよ。

谷崎や三島の小説は、どれをとっても美文と言ってよいと思うと言いたいけど、こうやって書こうとして調べてみたら、三島の小説は半分ぐらいしか読んでないし、谷崎にいたっては2割ほどだということに改めて気づいたので、私が読んだのは全部美文だったと言い換えておきます。

太宰も抜群にうまいと思う。
自己欺瞞が満ちれば満ちるほど、文章は美しくなっていくという。
皮肉だね。
私は太宰の晩年の小説は、大嫌いだけど、大好きです。

村上春樹も、共感は一切できないのが多いけど、文章は文句ないと思う。
特に情景描写は、感性的でありながら、説得力がある。
すごいなぁと思うけど、ストーリーはねぇ(^^ゞ

だから、情景描写だけで終始する短編はすごく面白いよね!!

……と、大家ばっかり挙げても、
「なんの参考にもならん」と言われそうなので、最近の人から揚げたら、町田康さんとか……。
あぁ、極端から極端に行き過ぎかも(^^ゞ
でも、読んだとき、「音楽が流れてるみたい」って思ったんですよね。
クラシックじゃなくてロックだけど……って当たり前か。

正統派の文章なら、梨木香歩さんの文章は、小川みたいだと思った。

とまぁ……てか、今目の前にある本棚に並んだ作家さんは全部、
「美文」
と思ったから残してるんですけどね(^^ゞ

でもその特徴とは何かと言われたら、答えられません。

ねぇ、美文って、なんなの?!

……誰かの模倣では、「美文」と呼んでもらえないでしょう。
かといって、あまりに個性的すぎても、読みづらい文章となってしまう。

……と、ここまでぐだぐだ書くのに、なんと3時間かかっちゃいました!!
結論もない、ただただぐだぐだに3時間ですよ!!

文字数にすれば、たぶん、5000ぐらい?
仕事なら、1時間で済む程度の文字量です。
それが3時間。

このテーマに、私がどれほど迷っているか如実に表してますなぁ(^^ゞ

そんな人間が、文章に携わる仕事しててええのんやろか……。

い~や、それではいかんっ!!

ってことで。
予定では、今日は出かけるつもりでしたが、もう2~3冊読むことにします。

出かけるのは、明日か明後日ってことに。
仕事がきて、出かけられなくなったってなればなおいいんだけどね~。
こればっかはタイミングだから(T_T)
重なるときは重なるのにね~~~~~……。

だからこそ、時間は有意義に使わなきゃね!!

何読もう~~~??
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楽しむ・味わう:南里

名文の条件で真っ先に出てくるのは
「日本語」であるということだと思います
あとは
書いている本人
考えている本人
話している本人

楽しんでいるかどうか、
味わっているかどうか
だと思います

それって
自然に心がこもるからだと思います
良さが活かされるからだと思います

おはようございます~♪

作家というと
なぜか
「女たらし」

すぐに連想してしまう
貧弱な発想でスミマセン

芸術家というのは
寝食を忘れて
その芸術
すなわち、自らの生に没頭できるという
特質があるようですね

発想(センス)と努力(エフォート)が
惜しみなく出てしまう
生活を賭けて、というよりも
これをやらずして死ねるか
という気魄をいつも感じています

「私の音楽の前に、貴族をひざまずかせてやる!」
(ルードヴィッヒ・ヴァン・ベートーベン)
との気魄や、自分を心底誇り高く思う感じが
やはり偉人だなあなんて思います

偉大な人は、早い時期に
この世で自分が何をやらなくてはいけないかを
自ら察知して、すぐに努力、活動しているようですね

名文には、その雰囲気が
文章表現に表れずにして出ているように思います
しどろもどろのスピーカーが
聴衆の感動を得ていることも
よくあることで
特に告別式での喪主の最後の挨拶なんかは
拍手を送りたいぐらいです
そして、
どこか、すべての人の良心に触れ、
魂にとけ込む文章が完成した時
それは
時代を超え
空間を越えて語り伝えられる
名文なのだと思います

「論語」も、国歌「君が代」も
そうなんだと思います

ふみ来る 親しみあふれ 手を添えて
 文字にとけ込む ぬくもり感ず
”若旦那~♪、なんり、深感恩
 

名文

そうなんですよね。
本当に心が籠っているものは、「名文」になるようです。
現代に残る偉人たちの言葉も、本当にその人の心が入ったものが多いと思います。

ただ、「美文」となるとね……。

美文は名文でないといけないと思います。
でも、名文がすなわち美文ではない。

そこが頭を抱えるところですね(^^ゞ

「私の音楽の前に、貴族をひざまずかせてやる!」

名文だけではひざまずかないと思うんです。

そこに「美」の迫力、圧倒感がないと。

でもそれじゃあ、「美」とは?
均整がとれて整っていても「美」ではありません。
それは単なる「整」です。

「美」とは?

……難しい問題っすよ、これ(^^ゞ
プロフィール

のりちゃん1968

Author:のりちゃん1968
大阪生まれ、大阪育ちのおばちゃんです。
40の大台を超えて、ますますおばちゃんに磨きがかかってます。

HP:http://www.norichan.jp/
Mail:norichan★norichan.jp
(★を@に替えてください)

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