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「男女」あれこれ

「女らしい」「男らしい」
という言葉を私はあんまし好きではありません。

「男は男らしく」「女は女らしく」などという個性無視の感覚はどうも苦手ですし(^^ゞ

それに、「らしい」って言われたって、どういうのが「女」で、どういうのが「男」かわかりません。

例えば、茶道華道は、「女らしい趣味」ではないですよね。
だってそもそも、茶道なんてのは武士のたしなみだったわけで。
そういう意味では、非常に「男らしい趣味」なんです。

実際、茶道については、かなりの体力・腕力が必要です。

水がたっぷり入った水入れを、「スッ」と置くには、腕に筋肉がついてないと無理っす。

普段はなんてことないこの所作。
風邪気味でふらふらしているときにやったら、かなり大変で、
「ドスン!」
と置いてしまい、師匠に、
「んま~、あなたらしくないわぁ!」
と怒られたんですけども。

「あなたらしい」というのはつまり、「力持ちのあなたらしくない」なんですよね。
全然女らしくないじゃん(笑)

高校時代、漢文の授業で、「長恨歌」の一部をやりましたが、その中で楊貴妃は、「侍兒扶起嬌無力」とその美しさを称えられていました。
風呂に入っててさえなよなよと、侍女に助けられなければ立ち上がれないほどたおやかである~……とありますね。
つまり、背筋をスッと伸ばして動作をせなあかん茶道は、楊貴妃には絶対無理でしょう。

まぁ、そもそも、茶道は、「密談をするのに都合が良い」ということで発展したものですから、男のものであるのは当たり前なんですよね。
大阪は堺へ行くと、「将軍義昭と信長が密会したと伝えられています」なんていう茶室もあったりして。
武器商人であった千利休がお茶を大成したのには大いに理由があるんですねぇ。

ということで、「男らしさ」「女らしさ」というのはどうやら、時代により大きく変わるようです。

岩波文庫の「江戸怪談 上巻」は、今現在品切れ中ですが、中古ならば送料込でも定価より安く入手できることがわかったんで、さっそく取り寄せてみました。

いやぁ、おもろいわ。
昨日一気に読んじゃいましたもん。

「宿直草」の中に収められた「女は天性肝太きこと」がまた、笑えるんですよ。

この女性、毎晩男のもとに通う、「恋する女」なんですね。
現在と違い、江戸時代の道は犬の糞だらけだったと言います。
それだけでなく、死体や得体のしれないモノがたくさん転がってたみたいですね。

しかし彼女はまったく平気。
恋する男に会うという喜びに、死体やうんこをずんずか踏みつけながらスキップを踏んでいたわけです。

ところが。
西河原の宮と呼ばれる森を通りぬけようとするときのことです。
小川を渡ろうとすると、ちょうど良い具合に死体が横たわっています。

「あら~、良い橋ができてるじゃない?」
と、死体の上を歩いていたときになんとっ!!!
横たわっていた死体が、いきなり彼女の着物の裾に咥えついたんです!!
んぎゃぁあああああ!!!!!!!!

でも女は別に怖がりません。
「えい、邪魔だ!!」
とばかりに無理やりひきはがし、歩き始めます。
そして、ちょっと行った後、立ち止まるんですね。
「それにしても、はて?」
と。

「なんで死体が私の着物の裾にかみついたんだろう?」
好奇心が抑えきれず、元の場所に戻って、死体の橋をもう一度渡り、その際わざと着物の裾を口の中に入れてみますと、やっぱり噛むんですよ。

「もしや?」
と死体の胸板を踏んでいた足をあげると、死体は裾を放して口を開きます。

つまり死体は、胸板を踏まれることにより口を閉じる「器械」と、すっかり化してしまっていたとわかったわけです。

なるほどねっ!
彼女は深く納得して、恋人の元へ。

そしてことの次第を彼に語り、
「タメになったね~」「タメになったよ~」
ともう中学生の真似をしたところ、男はドン引き。

いや、もう中の真似をしたことに引いたんじゃないですよ。
それならまだわかります。
私も旦那があの高い声で、
「ぱっぱら王子だよ~」
とか言い出したら、多分、熱だして寝込みます。

違うんです、男はそこに引いたんじゃないんです。
死体をまじまじと観察した女に引いたんですよ。
ひどいでしょ?ひどいよね~。

そんでもって、物語の著者は、
「女はもともと男よりもずっと肝っ玉が座ってるもんだが、そんな武勇伝は黙っておきなさい」
と〆てます。

いや~~~、でも面白い発見をしたら、黙ってられないのも「女」かもしんないですよ~~~(笑)
「聞いて、聞いて~~~」
なんつって(^^ゞ

まぁとにかく。
江戸時代には、「女は男よりずっと、肝っ玉が座ってる」という感覚があったようです。
つまり、「あの人って、すんごく肝っ玉の座った女らしい人なのよぅ」なんてことも言われてたかも(笑)

あと、この本を通して読むと、「安珍清姫型」の物語がかなりたくさん流布していたことがわかります。

つまり、男に強く懸想した女が、蛇と化して男にとりつくというパターンですね。

安珍清姫の伝説では、美僧安珍が、戯れに
「今度の旅から帰ってきたら、清姫をお嫁さんにしよう」
と話しかけることが、清姫の狂乱を引き起こすとなっていることが多いと思います。

その場合、清姫は恥じらいを知る可愛らしい少女ですし、予てから憧れていた安珍にそんな冗談を言われて本気にしてしまったのも仕方ないことかと思われます。

ですから、彼女が恋慕のあまりに蛇となり、安珍をとり殺してしまったとしても、「哀しい物語」となり得るんですよね。

でも、「江戸怪談」に収められた、安珍清姫型の物語は、大概、
「あら浅ましや」
と言わずにおれんような内容でして(^^ゞ

例えば、男が旅先で、すごく風雅な琴の音を聞き、
「こんなに上手なんだから美人に違いない」
と決めつけて、暗闇の中で相手の姿も確認せず、一夜の契りを結ぶと引き換えに結婚の約束をしてしまいます。
でも、朝起きて確認したら、相手はすごい老婆でびっくり!!
逃げだしたら老婆が追いかけてきて~……というものがありました。

これはもう、男が悪い。
笑い話にしかなりませんわね(^^ゞ

でも、もっとひどいのが、
「奇異雑談集」にある「糺の森の里、胡瓜堂由来の事」でしょう。

女性は糺の森あたりに大きな屋敷を構える茶屋の主人で寡婦。
その茶屋では棚を作って胡瓜を商いしていました。
そこへ通りがかった三人のお坊様。

一人が戯れに一本のキュウリを持ち、
「わしのんはこれぐらい~、形もそっくり~」
と言うたんですね。

女はそれを聞いて、ドキドキそわそわ。
お坊さんを追いかけて、
「すんませんけど、うちでご祈祷してもらえません?」
と家に引き込みます。

その後は秋波を送りまくり、誘惑しまくるんですが、お坊さんは動じない。
却って、警戒されてしまいます。

思いを遂げられないとわかった女は蛇と化し、お坊さんを追いかけ……。

う~~~~~~~~~~ん。
なんじゃこりゃ(^^ゞ

この女は坊さんじゃなく、魔羅に恋し、盲執したわけで……。
どうアレンジしても美しく哀しい物語にはならんと思うぞ(^^ゞ

多分、江戸時代の男たちは、女に夢を見てなかったんでしょうね(^^ゞ
それは正解だとは思うけど……。

つか、この話に出てくるのが、どんな大きさ&形のキュウリなのか、それがすごく気になる(笑)

しかしまぁ、いつの時代も……。
恋愛沙汰って面白い(笑)
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プロフィール

のりちゃん1968

Author:のりちゃん1968
大阪生まれ、大阪育ちのおばちゃんです。
40の大台を超えて、ますますおばちゃんに磨きがかかってます。

HP:http://www.norichan.jp/
Mail:norichan★norichan.jp
(★を@に替えてください)

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