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行方知れずとなりき

古文などで、ある人物についての記事で、
「その後杳として行方知れず」
などという文章で終わっているものがありますよね。

その場合、「昇仙」を暗示していることが多いんだとか。
特に、語られている人物が偉大であるならば、その可能性は高いってことでしょうね。

しかし、仙人になる人のすべてが、「行方知れず」になるんでは、偉大な人物が亡くなって葬式もあげられた場合、都合が悪い。

ってことで、「尸解」というものもあります。
これは、「死んだふりをしてこっそり仙人になる」というパターン。
その場合、「後で何かの理由があって棺をあばいたら、死体はなく箒だけが入っていた」なんていうエピソードがつけくわられたりするみたいですけどね(^^ゞ
まぁそれは、多分、「伝説」でしょう。

どちらかというと、
「あんなに素晴らしい人が仙人にならないとしたら、わしら凡人が仙人になるなんてとうてい無理だわい。ここはなんとしてもあの人には仙人になっててもらわんと!」
というような希望から生まれた伝承なんではないか……と。

今読んでいる「江戸怪談」でも、どうやら仙人になったらしき人物が登場しました。

その名も、長間佐太。

他にも仙人になったらしき話はありましたが、道徳的すぎておもしろくないんで、この佐太についてちょっと紹介してみましょう。

この佐太は、兵役にとられて京都へやってきたんですが、役目を終えた後、
「故郷から離れてしもたな~、もう戦争はいややな~」
ってんで、その地に庵を結び、
「乞食をやるのもいややしな~」
と、柴を売って生活を始めます。

売れたら餅と酒を飲み、売れなきゃ庵やその中の仏像を掃除したりして、のんきに楽しく過ごしたわけです。

ある日、同郷の武士がやってきて、
「あなたと私は同じ主君に仕えたというご縁があります」
とそれなりのお金と衣服を分け与えましたが、数日後、佐太が返しにきました。

「あのさ~、今まですごく気楽にやってきたわけよ。でもお金なんかをもらっちゃうと管理しなくちゃいけないじゃん?外にいても『盗まれてないかな?』って心配になるわけよ。こんなものに支配されるなんてバカらしくね?」

というわけですね。

ギリシャのディオゲネスを思い出させるエピソードですが、もしかしたら作者の浅井了意は、ディオゲネスのことを知っていたのかもしれません。

佐太はこの後、白骨の化け物にとりつかれますが、まったく恐れず退治。

その後、行方不明になった……とされます。

佐太の人柄を考えれば、死期を悟って、人のいないところで静かに息を引き取ったというのが真相なのでしょうが、周囲の人が、「彼は仙人になったに違いない」と期待したんでしょうね。

末期の苦しみをどのように迎えたいか……というのは、人それぞれな気がします。

猫やカラスは死期を悟ると静かに姿を消すと言いますよね。
でも、犬についてはそんな話は聞かない。
ハムスターのちび雄は、最後の日、私の手から降りようとしませんでした。

誰にも見られず、一人ひっそりと……と願うか。
それとも、「愛する人に見取って欲しい」と願うかは、その人の人生によるのだと思います。

ここのところ、毎日弟から長い長いメールが入ります。
私も毎日、長い長いメールを返します。

弟と私は、多分かなり仲の良い姉弟になるとは思いますが、結婚してからは、家族ぐるみで会うぐらいで、個人的にやりとりはほとんどありませんでした。

ときどき、共通の趣味(シャチ・ポケモン)について、情報交換するぐらい。

んで今、話題にのぼってるのは、シャチとポケモンについてもあるんですけどね(^^ゞ
一番長いのは、ばあさまに関する話題ですわ。

ばあさまは齢94歳。
かなり弱ってきたなとは思っていましたが、今年の夏を過ぎて急激に弱りました。

身内のことなので、歯に衣着せずはっきりと言えば、若いころから、自分のこと以外考えない人でしたし、ものすごくわがままな人でした。
私は一番可愛がられた孫でしたが、可愛がられながらも、その身勝手な可愛がり方に困ることもありました。
弟なんかは、結婚前にむこうのご両親と会食したとき、
「うちの息子は学区で一番の高校にトップの成績で入学して、ずっとトップで……」
というような嘘を延々述べたてられて、心底恥ずかしかったと言ってました(^^ゞ
わたしも似たような経験は山ほど(笑)
自慢したいんですよね、孫を。
でも、嘘はいかんよ、嘘は……(^^ゞ

ただ、ばあさまの性格は悪いというわけではなく、苦労した故に偏ってしまったという感じではあります。
心根が歪んでるわけじゃない……と、孫は思いたい。

ばあさまの困った性格については、仕事が忙しくて家のことを顧みる余裕がなく、ばあさまに大学まで行かせてもらったという恩を深く感じる父以外の家族には、共通の認識でしたから、いろいろといびられ、世話をかけられた母も、「理解してくれる人間がいる」という意味では救われていたかと思います。
子供だった私たち姉弟は、あんまり手伝いをやりませんでしたが(^^ゞ

そんな祖母は、弱りだしてからは特に母に頼りっきりで、ここ何年かは、母なしでは何もできないという状態でした。

その祖母が、ボケたわけです。
これもね~、いきなり来た感じですよ。
ほんま、びっくり。

私が留守番にいったのは2週間ほど前ですが、そのときはまだ、ボケてるってほどでもなかった。
「わがまま度がアップして、聞きわけがほとんどなくなったな~」
と感じたぐらい。

それが今では、ちょっと父親の顔が見えないだけで、外へ飛び出して、誰かれなく捕まえては、
「助けて!!」
と叫ぶそうで……。

実家を離れて13年。
ある程度客観的に見える私の立場として、祖母の気持ちを考えると、
「見捨てられるのでは」
という不安が大きいように思います。

ここしばらくの間で2回ほど実家へ出向き、祖母の話を聞いている弟も、同じことを言います。

つまり、自分がどれほどわがままをやってきたか、そして今どれほど二人を困らせているかわかっているんですね。
だから、「このままでは私は捨てられる」と心配になっているわけです。
でも、それでもわがままはやめられない……。
多分、それだけしんどいのと、何より怖いんだろうと思います。

こういうとき、信仰があればかなり違うのだろうなと思います。
でも、弟曰くは、今まで何においても大事にしてきた、戦死した夫の仏壇は、このところずっと閉じられているそうな。

「まさおさん(祖父の名)は、ここのところずっとそっぽ向いてる。何もしてくれへん」
と怒っているんだとか。

祖父に対する「信仰」は、絶対的なものではなかったのでしょうね。

祖母の狂乱についてはあまり書きたくないので控えますが、私が仕事の電話待ちで、家を空けられなかった今週のうちに、かな~り進行しているよう。

祖母は、「しんどい。くるしい」と訴えるのですが、それが果たして本当に、体の苦しみなのかと考えてしまいます。
本当は違うことが苦しいのではないのか。
そのことに祖母が気付けば、あるいは楽になるかも……などと。

弟の長いメールには、「しんどさ」が溢れております。
弟はここしばらくの祖母の様子を見てるんで、しんどいんでしょうね。
弟にとって救いは嫁さんの存在ですわ。

義妹は元看護士なんで、こういった患者さんも見ていて、なんせ経験値が高い。
その上、我慢強く優しい性格なんで、祖母のこともよく見てくれるんですよ。
弟はそれに対する感謝から、よけいに我慢強くなれ、優しくもなれるようです。
また、嫁さんの対処方法を見よう見真似することで、うまく対処できてるとも言うてました。

私も同じですよね。
旦那に愚痴れば黙って聞いてくれ、
「花でも見に連れ出すか?」
といろいろ計画を立ててくれる。

旦那は祖母に優しく、自分が休みで私が仕事の日などに、一人で祖母を連れ出して、花を見に連れていってくれたりしたことがあったので、祖母にとって旦那は、「連れ出してくれる人」なんですよね。
だから、旦那の誘いならば、素直についてくるかもしれない。

祖母にとって不幸なのは、そういう「感謝すべき人」がいないことなんじゃないかと思う。
多分それは、若いころからそうだったんでしょうね。
今になってやっと思います。

私たちは祖母のことを「わがまま」と思っていたけれど、実は「感謝する人が誰もいない」という、可哀そうな人だったんじゃないか……と。
それが今、認知がはじまってから顕著にでてしまったと感じます。

今日、旦那は長い長い出張から帰ってきます♪
義母さんと一緒に花を見る約束をしていたので、まず花を見て、その帰り、実家へ寄ってきます。
さて、私も今晩、弟あてに「つかれた長いメール」を出すのかな(^^ゞ

旦那がいるから大丈夫でしょう。

さてさて、そろそろ迎えに行く準備を始めます。
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プロフィール

のりちゃん1968

Author:のりちゃん1968
大阪生まれ、大阪育ちのおばちゃんです。
40の大台を超えて、ますますおばちゃんに磨きがかかってます。

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Mail:norichan★norichan.jp
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