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般若

昨日は一日中仕事でパソコンに向かってたんで……。
話題がない(^^ゞ

寝る前に読んでた本の中からちょっと面白かった話題を。

「外面如菩薩 外面如般若」
という言葉があるけど……と書きかけて、念のため調べたら、
「如般若」じゃなくて、「如夜叉」でしたね(^^ゞ

チ。
話題が続かん。

いや、私が子どものころは、
「姿の美しい人の心は驕っていて、姿の美しくない人ほど心が美しい」
みたいな感覚を押しつけられるところがあったんですよね。

少女漫画なんかでも、「容姿は普通だけど、心のきれいな女の子」が主役だったりして。
美人はだいたい悪者だったりする(笑)

だけども、最近はそうでもないって感じになってきてますね。
「綺麗で性格の良い人」が増えちゃったみたいで。
綺麗じゃない人間にとっては結構不利ですな(笑)
別にいいけど。

ってことで仕切り直し(笑)


般若です。

般若というと、鬼女の面を思い出しますが、もともと「般若」という言葉には悪い意味はありません。
もともとはサンスクリット語」で、真理と悟りにつながる最高の知恵を意味する「プラジナ」を漢語訳した言葉なんですよね。

それがなぜ、日本においては鬼女を意味する言葉になったのかというと、これが諸説あるようなんです。

私が知っているのは、源氏物語の「葵」で、生き霊(鬼)となった六条御息所が、般若経により退散させられる際、
「恐ろしの般若声や」
というセリフを残すからだというものでした。

これが一番有名な説じゃないかな。

でもその他にも、「般若坊」というお坊さんがこの面を彫ったからだという説もあるそうな。

でもまぁそれはどっちでもいいや(笑)

私が注目したいのは、般若は、性別が女であるとはっきりしているってことです。

そもそも「鬼」とは何かというと、これまた諸説あってよくはわかりませんが、いろいろな「怖いもの」が複合して「鬼」と呼ばれるようになったというのが正解ではないかという気がしています。

例えば、恐ろしい外敵は「鬼」だったでしょう。
でも恐ろしい外敵とは何かと言えば、そりゃもういろいろあると思うわけ。

例えば、木原敏江さんの漫画で、桜の木に棲む鬼の話があるんですが、彼女は、「鬼」という文字を分解して、「白い人」と解してはったと思います。人から借りた本なんで詳細は忘れましたが(^^ゞ
その昔、欧米から人がやってきた可能性はあったでしょうし。
コロンブスが南アメリカの島々を発見したのは1492年ですからね。日本で言えばまだ織田信長も生まれてませんや。
その時代に、(多分日本人よりもかなり体のでかかったろうと思われる)白色人種を見たら、日本人の目には鬼と見えて不思議はないと思うわけですわ。

また、都会で暮らす人々にとって、山に住む屈強の人々は鬼と感じたろうし。

……というわけで、鬼という言葉から連想するのは、筋骨隆々たる……性別でいえば男なんですよね。


でも、般若は女性の鬼です。

女性の鬼ってなんなんだろうと思うんですよ。

私が読んでいた本によれば、能の世界では、般若を「生成」「中成」「本成」の三種類に区別するそうです。

「生成」は、生きたまま鬼に成ったという意味でしょうか。
「中成」は、中途半端に鬼に成ったってことかな(^^ゞ
そして、
「本成」は、本当の鬼に成ったという意味ではないか、と。

そして、それぞれ、どのような女性を指すのかというとですね。

生成は、鉄輪の人妻が代表格だそうな。
鉄輪は、夫に裏切られ、捨てられた妻が、貴船の神の託宣により生きながら鬼になり、夫とその後妻を呪い殺そうとする話ですよね。
現在の丑の刻参りの原型と言う方がわかりやすいか。

この「生成」の面は、怒りだけでなく、悲哀の表情を有していることが特徴なのだとかで。
つまり、人間くさいってことなんでしょうね。

そして「中成」は、中でも、「白般若」「赤般若」「黒般若」があるそうで、高貴な婦人が鬼になるという六条御息所は「白般若」。
怒り狂う戸隠山の鬼女「紅葉」が、「赤般若」。
安達が原の鬼婆が、「黒般若」のそれぞれ代表格だと書かれております。
どれもこれも、最後に解脱しちゃうという共通点があるようで。
だから、「中途半端な鬼」ってことですかねぇ(^^ゞ

そして、「本成」の代表格。
これ、誰だと思います??

娘道成寺の、清姫なんだそうです。

私の目には、鉄輪の人妻と、清姫の違いがよくわかりません。
どちらも悲哀のあまり、情愛のあまりに鬼になった女性ではないんだろうか?

ただ、鉄輪の人妻は、夫を殺すことができません。
だから、鬼にはなれなかったと解するんでしょうか?
ところで、物語の中で、この人妻は後妻はいとも簡単にとり殺してしまいます。
でも、夫は殺せないんです。
……安倍晴明の張った結界が鬼を夫に近寄らせないんですよね(^^ゞ
でも、多分それだけではなかったんだろうとも思います。
もし晴明の結界がなくとも、この女は、夫を殺せなかったんではないか、と。

よく、恋人に裏切られたとき、女は相手の女を憎み、恋人を憎まないものだなんていう話がありますよね。
でもそれは、現代の自立した女性にはあまり当てはまらないようでもあります。
裏切る男は、どうせまた裏切るだろうから、相手の女を恨んだって仕方がないっていう道理がわかっちゃいますからねぇ(^^ゞ
そういう薄っぺらい裏切り男と縁を切るのが一番賢いと考えるのが、自立した現代の女性の常識的行動でしょう。

つまり、「女は女を憎む」じゃなくて、「女は自分を裏切った男を憎めない」っていうことが大事なのじゃないかな。
その理由はわかりません。
ただ、現代の自立した女性は、「女も、本来は自分を裏切った男を平気で憎めるもんなんだ」ってことを証明してくれましたね。
良かったよかった。

でも……鉄輪の女性は夫を殺せませんでした。
なんてんだろ。
憎み過ぎて、憎み足りなくなっちゃったんじゃないか、と。
うまく言えませんが。

なんてんでしょ。
結局どんな感情も、ある種の感情移入なんじゃないかと思うんですよ。
相手に感情移入できなきゃ、愛しも憎みもできなくないですか?
感情移入できない相手のことなんか、好きでも嫌いでもないでしょ?単に無関心なだけ。
そういうことなんじゃないでしょうか。
鉄輪の女にとって、関心事は、夫に集中してたんでしょうね。

とまぁ、私が言わんとしてることは、多分、今までもいろんな人が言ってきていることなような気もしますんで、このへんで。

それに対して、清姫は、安珍をいとも簡単に殺してしまいました。
口から吐いた炎で焼き殺してしまいました。

清姫は、安珍を殺すことで、「連れて行こう」としたわけですね。
自分の元へ。
そしてそれに成功しました。

鉄輪の女は、連れていけなかったんですよね。


当然のことですが、恋愛ってのは、二人でするもので、片方だけが相手を思ってても、それは形を成さないものでしかありません。

鉄輪の女も、清姫も、その形にならないものを、なんとか自分の手中におさめようとして鬼になろうとするんでしょう。
そして、清姫はなんのためらいもなく、それをぐわしとつかみ取ってしまう。

鉄輪の女はそれができない。
彼女は多分、それが、どれだけ乱暴につかみ取ったとしても、どれほど丁寧にすくい上げたとしても、永遠に形にはならない、幻なのだと知っていたんではないかとも思うんですわ。

だから彼女は夫を殺せなかった。
夫の心の中を見詰めようとしたから、殺せなかった。

清姫は、安珍の気持ちなんぞ汲み取ろうとしてませんから。
だから、ためらわずにすむわけですよね。

清姫には、自分を思う悲しさはあっても、安珍を思う悲しさが欠如している。

っていうのが、「人間くさい鬼」と、「本当の鬼」との違いなのかもしれません。

結局、鬼ってのは、相手の気持ちなんぞおかまいなしな奴のことを言うんでしょう。
相手に対する感情移入のないあほだらのことを言うのでしょう。

そう考えれば、現代のストーカーなんてのは、「鬼」ですな(笑)
男・女に関わらず。

私が読んでいた本ってのは、村上健司氏の「妖怪事典」って本なので、そうくわしいことは書かれていませんでしたが、馬場あき子さんという方が「鬼の研究」という著書の中で、
「般若=半蛇」というスタンスで般若を解しておられると書いてありました。

つまり、蛇とは女特有の邪心なのだそうです。
蛇=邪ね(笑)

で、氏は、「生成」「中成」「本成」は、鬼ではなく蛇を尺度にした分類ではないかと書いておられるとかで。

結局さ。
女が鬼になるとき、どれだけ恐ろしい鬼になるのか、どれだけ本物の鬼になるのかは、その恋心の強さで決まるわけじゃないってことですね(笑)

恋心が人を鬼にするんじゃないんですよ。
きれいごとを言っちゃいけない。

邪心が人を鬼にするってこと。
まぁなんてスッキリした解釈でしょう(笑)

そんでまたこういうことも言えますよね。

自分に邪心がないと思うなら、鬼になろうなんて思ったって、無駄だよ……ってね。
だって、安倍晴明に結界つくられたり、般若経により退散させられたりしちゃうからさ(^^ゞ
その程度の鬼しかなれないんだから。

なんというか。
平和なのがいいよな~とか思うのでした。

さぁ今日も仕事っす~。
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プロフィール

のりちゃん1968

Author:のりちゃん1968
大阪生まれ、大阪育ちのおばちゃんです。
40の大台を超えて、ますますおばちゃんに磨きがかかってます。

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