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人形

人形って、なんのために発明されたんでしょう?

最初に飼っていたハムスターが、寿命を全うしたとき、私は、彼女の絵を描きまくったんですよね。
……下手ですが(^^ゞ

んでもって、旦那は、
「ももちゃん(ハムの名前)に似てる」
と言って、ヤマネのぬいぐるみを買ってきてくれたりしました。

たぶんこの人形は、「代替品」だったのであろうと思います。

つい先日まで手のひらの上にあったぬくもりが、ふいと消えてしまったため、何かそれを思い出させてくれるよすががほしかったのでしょう。

ペットロスの欠落感は、涙で満たすか、別のものを埋め込むか、それともその存在を忘れるか……。
なんにせよ、その欠落感を完全な形で復旧させることは、どだい不可能です。

日本の昔話に「絵姿女房」というものがありますね。
美しい女房をもらった男が、畑に出ては女房の顔が見たくなって、すぐに家に戻ってしまう。
「これでは仕事にならない」
と、女房は自分そっくりの絵姿を亭主に持たせ、それでやっと仕事がはかどるようになった、と。

そんなことを考えれば、絵も人形も、本来は、「人の代替品」という発想はあながち間違ってなかろうと思います。

もちろん、「身代わり」だという意見もありましょう。

たとえば、縄文土偶は、「身代わり人形」であったという説がありますね。
土偶の体のうち、自分の体の悪いところをわざと壊す。
それによって、「土偶が身代わりを引き受けた」と解釈するのだとか。

たとえば。
頭が痛いとします。何日も治らない。
現代ならば、病院へ行けということになりますが、昔の人は、土偶の頭を壊すことにより、
「これで頭痛は土偶が引き受けてくれた。私の頭痛は治るはず」
と考えたんですね。

でもこれだとて、「人形が自分の代替品」という見方があったからこそ生まれた発想なわけで。

坂口安吾の「桜の森の満開の下」では、美しい盗賊の女房が、土産にと生首を所望します。
あどけない美しい女は、生首でもって、「ごっこ遊び」をするのです。
美しい男の生首と美しい女の生首に恋愛をさせたり、いけすかない生首には横恋慕をさせてみたり。
してみると、「人形遊び」の人形も、「生首」の代替品……ってことはないか(^^ゞ



さてさて。
日曜日、私たちは、午前、午後とジョウビタキに会うその合間の時間に、高取町へ出かけました。

知ってる人は知っている。
知らない人は知らない(笑)

高取城は、「芙蓉」にたとえられた石垣の美しい城。
その城下町として栄えたのが、高取町。
たぶん、そのもっと昔から栄えていたとは思うのですが……。
でも、今残る町並みは、城下町の名残でしょう。

長い目抜き通りは1.5キロほどはあるのではないでしょうか。
この舞台において、旧暦のひな祭りの頃、つまり3月いっぱい、「雛めぐり」のイベントが開催されています。
その通りに面するお宅の多くでは、通りに面した部屋などに雛壇が飾られ、その由緒も説明されています。

「娘の初節句に、実家の両親が買ってくれたものです」
なんていう、比較的新しい雛人形もあれば、
「明治時代のもので、代々受け継がれてきました」
という、かなりのお値打ちものもありました。

0308hina.jpg

これは明治時代のもの。
屋形がついていて、なんとも雅な雰囲気ですね。

暗い場所に展示されていたため、フラッシュのせいで白飛びしちゃうのが残念ですが。

和歌山の淡島神社では、「雛」は、「ヒコナ」からきていると説明していますよね。
つまり、「スクナヒコナ」をかたどったものが、「ヒナ」である……と。

スクナヒコナはガガイモの船に乗れてしまうほど小さな神様。

それならば、本来の雛人形は、「人間の雛形」ではなく、「実物大」であったのでしょう(笑)

雛人形の元祖は、「流し雛」であったというのは定説なのでしょうか?
流し雛は、紙で作られた人形に、人の身のケガレや罪を移し、川に流すことによって、それを祓うためのものです。
つまり「浄化装置」であったのでしょうね。

現代の雛人形は、決して川に流しはしません。
んな高いもん、毎年流してたら、散財がすぎるってもんです。

でも……先日見た雛の人形たちは、そのガラスでできたような漆黒の瞳に、持ち主の祈りも呪詛も写し取っているように見えました。
娘の成長を願う親の思いや、誰かを慕う切ない思い、そしてもしかしたら何か耐えきれない憤懣の思いが、その面を白く、白く照らし出しているように思えてならなかったのです。

たとい心に形がなかろうと、それはそこに存在する。
それがどれだけつらいものであろうと、思いは容易に心を去ってはくれない。
だからときどき私たちは、魂をもたぬ人形に話しかけたりします。

「どうぞこの思いを少しだけ分け持ってほしい」
と。

美しい思いもあったろう。
切るように鋭い思いもあったろう。

澄ました表情で、豪華な衣装を纏う人形たちは、その小さな体に、その思いをすべて受け入れているように思えてなりませんでした。
そして、そんな激烈な思いさえ、ゆがめることのできないその固く冷たいその面を、限りなく美しいと感じたのです。
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プロフィール

のりちゃん1968

Author:のりちゃん1968
大阪生まれ、大阪育ちのおばちゃんです。
40の大台を超えて、ますますおばちゃんに磨きがかかってます。

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Mail:norichan★norichan.jp
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